NHKマイルカップ(GⅠ)/東京/定量/1600m(左・芝)
第18回NHKマイルカップは、10番人気のマイネルホウオウ(柴田大知)が勝利し、2着には6番人気のインパルスヒーロー(田中勝春)、3着には8番人気のフラムドグロワール(横山典弘)が入り、大波乱の決着となった。
競馬理論の競馬予想では、出遅れてスローペースを捲らざるを得なくなったニュージーランドトロフィーの敗戦を度外視すれば、皐月賞馬ロゴタイプと0秒3差で走ったスプリングステークスの内容を評価できるので、マイネルホウオウにもそれなりに高い評価を与えていたが本命にまでは予想できなかった。
レースでは、マイネルホウオウは、後方集団で折り合いに専念し、直線で大外に持ち出されるとグングンと脚を伸ばし、先に抜け出したインパルスヒーローを差し切り、第18回NHKマイルカップを制覇した。
マイネルホウオウの第18回NHKマイルカップの勝利という結果は、外の差しでも不利がなく切れ味が生きる馬場に恵まれたものではあるが、クラシック組不在のこのメンバーならば能力的に互角以上であることを示した。
よって、今後の重賞戦線の競馬予想においても、マイネルホウオウに第18回NHKマイルカップ組の中では高い評価を与えるべきである。ただし、マイネルホウオウは、スプリングステークスでロゴタイプに完敗を喫しているように、皐月賞組に入ると現状では厳しいと判断せざるを得ない。
一方、第18回NHKマイルカップでは、インパルスヒーローが2着に入った。
競馬理論の競馬予想では、3連勝中と底を見せていない点を評価していたものの、ファルコンステークスは弱いメンバー構成に恵まれての勝利とも考えられる点を考慮し、インパルスヒーローを押さえ評価にとどめてしまった。
レースでは、インパルスヒーローは、中団よりやや後方の外目を追走し、直線では鋭い脚を伸ばして一旦は勝利を収めたかのようにも見えたが、更に外からマイネルホウオウに差されてしまい、2着止まりであった。
インパルスヒーローの第18回NHKマイルカップの2着という結果は、ゴール寸前で内にササってしまってのものであり、能力的にはマイネルホウオウと互角である。
よって、第18回NHKマイルカップ以後の重賞戦線の競馬予想においては、展開次第でインパルスヒーローがマイネルホウオウを逆転可能と判断すべきである。
一方、第18回NHKマイルカップでは、フラムドグロワールが3着に粘り込んだ。
フラムドグロワールは、逃げ争いをした3頭の直後となる4番手のインから競馬を進めた。
そして、フラムドグロワールは、直線では内を突いて抜け出しをはかったが、上位2頭に切れ味で負けてしまい、3着止まりであった。
フラムドグロワールの第18回NHKマイルカップの3着という結果は、インが有利な馬場ではなかったものの、好位のインに潜り込ませてロスのない競馬をさせた横山騎手の好騎乗によるものである。
よって、第18回NHKマイルカップ以後の重賞戦線の競馬予想においては、フラムドグロワールにG1で3着ほどの高い評価は不要である。
一方、1番人気のエーシントップ(内田博幸)、2番人気のガイヤースヴェルト(ウィリアムズ)及び4番人気のコパノリチャード(福永祐一)は、揃って馬券圏外に敗れてしまった。
競馬理論の競馬予想では、いずれの馬も楽な展開での勝利が多く過大評価は禁物と判断していたが、エーシントップ及びコパノリチャードは競るタイプでもないのでスローペース濃厚と判断し、前残りの展開を想定してしまった。
しかしながら、実際のレースでは、ガイヤースヴェルトが積極的に2番手から競馬を進めた結果、想定よりも速いペースとなってしまい、追い込み決着となってしまった。
よって、第18回NHKマイルカップ以降の重賞戦線の競馬予想においては、イン有利の馬場や楽に先行できるメンバー構成の場合にはエーシントップ、ガイヤースヴェルト及びコパノリチャードにそれなりの高い評価を与えるべきだが、外の差しが届く馬場や先行馬が揃った場合には、実績ほどの高い評価は不要である。
以上のように、第18回NHKマイルカップは、人気馬総崩れの大波乱の決着となった。
この第18回NHKマイルカップの結果は、クラシック組不在のマイル戦線の混戦を象徴するものである。
それは、第18回第18回NHKマイルカップでは9着までが0秒5差以内であったことからも分かる。
競馬理論のファンの方は、混戦の3歳マイル戦線の穴予想をお楽しみに。
予想屋マスター事務局スタッフ片山・麻生が担当しております。 ご意見、ご要望などいただけたら嬉しいです。