函館スプリントステークス(GⅢ)/函館/別定/1200m(右・芝)
第20回函館スプリントステークスは、断然人気のドリームバレンチノ(松山弘平)が8着に敗れる波乱の決着となった。
その第20回函館スプリントステークスを制したのは、6歳馬パドトロワ(勝浦正樹)である。
競馬理論の競馬予想では、フォーエバーマーク及びテイエムオオタカが1枠2頭で競り合ってハイペースの前崩れの展開になる可能性が高いと判断し、先行争いに加わるパドトロワの評価を下げてしまった。
レースでは、パドトロワはテイエムオオタカが出遅れてしまったこともあり、逃げたフォーエバーマークを見る形で2番手をすんなりと追走できた。
そしてパドトロワは、直線でフォーエバーマークを交わして先頭に立つと、そのまま押し切って第20回函館スプリントステークスを制覇した。
パドトロワの第20回函館スプリントステークスの勝利という結果は、開幕週のイン有利の馬場において楽なペースの2番手で追走する展開に恵まれたものであり、過大評価は禁物である。
よって今後のサマースプリントシリーズにおいては、第20回函館スプリントステークスの勝利だけで、パドトロワを絶対視すべきでない。
ただしパドトロワは、軽快な先行力を持つことから、第20回函館スプリントステークスのように、イン有利の馬場において楽に先行できる展開になるようであれば、好走も可能である。よってパドトロワが、2年連続のサマースプリントシリーズのチャンピオンとなるということもあり得ると判断すべきである。
一方、第20回函館スプリントステークスでは、シュプリームギフト(秋山真一郎)が2着に入った。
競馬理論の競馬予想では、ハイペースの前崩れの展開を想定していたため、好位のインで待機しそうなシュプリームギフトを押さえ評価にとどめてしまった。
レースでは、シュプリームギフトは好位の馬群の中で待機し、直線でもスムーズに馬群をさばいて脚を伸ばしたが、パドトロワを捉えずことはできず2着止まりであった。
シュプリームギフトの第20回函館スプリントステークスの2着という結果は、ぴったりとラチ沿いを走ったわけではないが、イン有利の馬場でロスのない競馬をしてのものであり、レース内容としては着順ほどの価値はない。
よって今後のサマースプリントシリーズにおいては、シュプリームギフトにもそれなりの高い評価を与えるべきだが、第20回函館スプリントステークス2着ほどの高い評価は不要である。
第20回函館スプリントステークスでは、フォーエバーマーク(三浦皇成)が3着に粘り込んだ。
フォーエバーマークは、1枠1番を生かし、ハナを叩いて粘り込みを狙ったが、ゴール寸前で上位2頭に差されてしまい、3着に敗れてしまった。
フォーエバーマークの第20回函館スプリントステークスの3着という結果は、イン有利の馬場において楽に逃げる展開に恵まれたものであり、レース内容としての価値は低い。
よって今後のサマースプリントシリーズの競馬予想においては、よほど楽に逃げられるようなメンバー構成や、あるいは極端にインが有利な馬場である場合を除いては、フォーエバーマークに高い評価は不要である。
さて、第20回函館スプリントステークスにおいて他に注目すべきレース内容であったのは4着のアドマイヤセプター(岩田康誠)である。
アドマイヤセプターの函館スプリント4着という結果は、イン有利な馬場ながらも8枠16番からの発走で終始外を回らされて大外から追い込んだものであり、レース内容としては上位3頭を上回る。
よって今後のサマースプリントシリーズの競馬予想においては、先行馬が揃ったメンバー構成、あるいは外の差しが届く馬場になるようであれば、アドマイヤセプターがパドトロワ、シュプリームギフト及びフォーエバーマークを逆転する可能性が高いと判断すべきである。
以上のように第20回函館スプリントステークスは、2012年のサマースプリントシリーズ王者のパドトロワの勝利で幕を閉じた。
ただし第20回函館スプリントステークスは、開幕週のイン有利の馬場が結果に大きな影響を与えたものであり、第20回函館スプリントステークス組は馬場や展開次第では大きく着順が入れ替わりそうである。
競馬理論のファンの方は、混戦のサマースプリントシリーズの予想をお楽しみに。
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