東京優駿(GⅠ)/東京/定量/2400m(左・芝)
第80回日本ダービーは、1番人気のキズナ(武豊)が人気に応えて、3歳世代の頂点に立った。
競馬理論の競馬予想では、京都新聞杯及び毎日杯の着差以上に強いレース内容だけでなく、前が塞がって仕掛けが遅れて脚を余した弥生賞の内容から、皐月賞の上位組より上と判断してキズナを本命に予想した。
レースでは、キズナは、後方3番手からじっくりとレースを進めた。
そしてキズナは、直線に向いてもなかなか外に持ち出せず万事休すとも思えたが、前が開くと一頭だけ次元の違う脚を使って直線を一気に差し切り、第80回日本ダービーを制覇した。
キズナの第80回日本ダービーの勝利という結果は、直線で外に持ち出すのに苦労してなかなか脚を使えなかったことを考慮すると、着差以上に強いレース内容であった。
よって第80回日本ダービー以降の競馬予想においても、キズナに本命級の高い評価を与えるべきである。
ただし、キズナは追い込み一手の脚質なので、イン有利の馬場や先行馬が少ないレースでは脚を余す可能性は否定できないため、過信は禁物とも判断している。
第80回日本ダービーでは、3番人気のエピファネイア(福永祐一)が2着に入った。
競馬理論の競馬予想では、イン有利の馬場で終始外を回らされた皐月賞の内容から、皐月賞馬ロゴタイプを逆転濃厚と判断し、エピファネイアにも高い評価を与えていた。
レースでは、エピファネイアは、中団の内目で折り合いをつけ、直線では馬群を割って一旦は先頭に立ったものの、更に外からキズナに差されてしまい、2着止まりであった。
エピファネイアの第80回日本ダービーの2着という結果は、少し行きたがってしまったことも残念ではあるものの、実際にはロスのないコース取りをさせた福永騎手の好騎乗による結果であり、現時点ではキズナに力負けと言わざるを得ない。
しかしながらエピファネイアは、皐月賞及び第80回日本ダービーと2戦連続で2着と崩れなく走っており、3歳世代でトップクラスの能力を秘めることは疑いの余地がない。
よって第80回日本ダービー以降の競馬予想においても、エピファネイアが、キズナに負けず器用な脚質を生かせるようであれば、逆転可能と判断すべきである。
一方、第80回日本ダービーでは、8番人気のアポロソニック(勝浦正樹)が3着に粘り込み、波乱を演出した。
競馬理論の競馬予想では、スローペースで逃げ粘っただけの青葉賞のレース内容、且つ、レースのレベルは青葉賞組よりも皐月賞組が上であるとの判断から、アポロソニックを軽視してしまった。
レースでは、アポロソニックはサムソンズプライドとの逃げ争いを制し、マイペースの逃げに持ち込んだ。
するとアポロソニックは、向こう正面でまくってきたメイケイペガスターに一旦は先頭を譲るも、4コーナーでは再度メイケイペガスターに並びかけて逃げ切りを狙った。しかしその後、人気馬2頭に差されてしまい、3着止まりとなった。
アポロソニックの第80回日本ダービーの3着という結果は、極端な前残りの展開に恵まれたわけでもない上に、メイケイペガスターに一旦先頭を譲って再度差し返す味のある競馬によるものであり、単純にフロック視すべきではない。
よって第80回日本ダービー以降の競馬予想においても、逃げるとしぶといアポロソニックの逃げ粘りには注意を払うべきである。
特にイン有利の馬場においては、アポロソニックの評価を上げるべきである。
また第80回日本ダービーでは、13番人気のペプチドアマゾン(藤岡康太)が4着に入った。
ペプチドアマゾンは、8枠16番からの発走ながらも3~4番手のインに潜り込んだ。
そしてペプチドアマゾンは、直線でもバテることなくジリジリと脚を伸ばして4着に粘り込んだ。
ペプチドアマゾンの第80回日本ダービーの4着という結果は、逃げ争いから離れた好位のインでロスのない競馬をさせた藤岡康太騎手の好騎乗によるものであり、レース内容としては着順ほどの価値はない。
よって第80回日本ダービー以降の競馬予想においては、ペプチドアマゾンに第80回日本ダービー4着ほどの高い評価は不要である。
さて、第80回日本ダービーにおいて、皐月賞馬ロゴタイプ(C・デムーロ)は2番人気を裏切り、5着に敗れてしまった。
競馬理論の競馬予想では、極端にインが有利な馬場で、好位のインを追走して勝利した皐月賞のレース内容から、ロゴタイプならばエピファネイアが上と判断し、ロゴタイプを押さえ程度の評価にとどめていた。
なお、競馬の予想に色々なスタイルがあるのは確かだが、正統派の予想をしているという競馬ファンで、ロゴタイプとエピファネイアの比較において、エピファネイアが上という判断をできない競馬ファンは、競馬の考え方が根本的に分かっていないと言わざるを得ない。
レースでは、ロゴタイプは好位5~6番手から競馬を進めて直線に向いたが、伸びを欠いてしまい5着に敗れてしまった。
ロゴタイプの第80回日本ダービーの5着という結果は、上位2頭には力負けと言わざるを得ない内容であった。
よって菊花賞の競馬予想においても、ロゴタイプが2冠制覇を達成するためには、皐月賞のように展開などの助けが必要と判断すべきである。
なおロゴタイプは、器用な先行力を持つので、イン有利の馬場で、好位のインで待機できるようであれば、皐月賞のようなレースを再現可能であるので、評価をあげるべきである。
以上のように第80回日本ダービーは、キズナの着差以上に強い勝利で幕を閉じた。 よって競馬理論のファンの方は、今後もキズナの走りに大いに期待して頂きたい。
ただしキズナは、追い込み一手の脚質なので、展開や馬場次第では取りこぼす可能性も否定できない。キズナが出走するレースにおいては、キズナが取りこぼすような展開も想定して予想すべきである。
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