天皇賞(春)(GⅠ)/京都/定量/3200m(右・芝)
第147回天皇賞・春は、単勝1.3倍と断然人気に推されたゴールドシップ(内田博幸)が5着に敗れ、中波乱の決着となった。
第147回天皇賞・春を制したのは、2番人気のフェノーメノ(蛯名正義)である。
競馬理論の競馬予想では、日本ダービーのレース内容や先行力を考慮して、フェノーメノにはゴールドシップと互角という評価を与えていた。
レースでは、フェノーメノは前がバラけた7番手で折り合いをつけ、二周目の向こう正面あたりから徐々に上位に進出し、4コーナーで早くも先頭に立った。
そして、フェノーメノは、直線に向くと他馬を寄せ付けずに押し切り、第147回天皇賞・春を制覇した。
フェノーメノの第147回天皇賞・春の勝利という結果は、オルフェーヴル不在のG1にしては寂しいメンバー構成とゴールドシップの凡走に助けられたものではあるが、2着のトーセンラーに1馬身以上の差をつけ、能力の違いを見せつけた。
よって次走の宝塚記念の競馬予想においても、フェノーメノに高い評価を与えて当然である。
一方、第147回天皇賞・春では、トーセンラー(武豊)が2着に入った。
競馬理論の競馬予想では、京都記念の強いレース内容と菊花賞3着の実績から、トーセンラーにも高い評価を与えていた。
レースでは、トーセンラーは中団のインで待機し、2週目の向こう正面から外に持ち出されると、早めに上位に進出した。
そしてトーセンラーは、4コーナーでフェノーメノの外に並びかけたものの、突き放されてしまい2着止まりであった。
トーセンラーの第147回天皇賞・春の2着という結果は、フェノーメノにこそ力負けであったが、京都記念の強さが本物であることを示した。
よって第147回天皇賞・春以降のG1戦線の競馬予想においては、メンバーが強化される点を考慮すると、トーセンラーが勝ちきるためには展開などの助けが必要と、判断すべきである。
第147回天皇賞・春の3着には、外国馬レッドカドーが入った。
競馬理論の競馬予想では、直線で不利を受けさえしなければもう少し走れたと思われるジャパンカップのレース内容から、レッドカドーにもそれなりの高い評価を与えていた。
レースでは、レッドカドーは、中団よりやや後方の馬群の中でトーセンラーをマークするような形で競馬を進めた。
そしてレッドカドーは、2週目の3コーナーから徐々に位置取りをあげると、4コーナーでは先団を射程圏に入れたが、上位2頭との差は詰められず、3着に敗れてしまった。
レッドカドーの第147回天皇賞・春の3着という結果は、香港ヴァーズ勝ち及びドバイワールドカップ2着の実績が伊達(だて)でないことを示した。
よって今後もレッドカドーが日本のG1戦線に挑戦してくるようであれば、それなりの高い評価を与えるべきである。
さて、第147回天皇賞・春で断然の1番人気に推されたゴールドシップは5着に敗れてしまった。
ゴールドシップは、いつものように行き脚がつかずに後方の外目から競馬を進めた。
そしてゴールドシップは、2週目の向こう正面から大外を回って上位に進出したが、いつもより反応が鈍く、直線では上位に離されてしまい、まさかの5着に敗れた。
ゴールドシップの第147回天皇賞・春の5着という結果は、高速馬場で大外を回らされてしまったことが影響したので悲観すべき内容ではないが、1.3倍の断然人気ほどの力差がないことも確かであった。
よって次走の宝塚記念の競馬予想においては、外の差しが届く展開になればゴールドシップが巻き返す可能性は高いが、インが有利な馬場や先行馬が少ないメンバー構成の場合には再度脚を余す可能性が高まると判断すべきである。
以上のように第147回天皇賞・春は、単勝1.3倍のゴールドシップが5着に敗れ、競馬に絶対はないことを改めて認識させるレースとなった。
競馬理論のファンの方は、改めて本命馬券を買うリスクを認識して頂きたい。
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