マイルチャンピオンシップ(GⅠ)/京都/定量/1600m(右・芝)
秋のマイル王決定戦の第30回マイルチャンピオンシップは、レベルの高い中長距離戦線で一線級と対戦してきた2番人気のトーセンラー(武豊)が格の違いを見せつけて快勝した。
競馬理論の競馬予想では、極端にインが有利な馬場において終始外を回らされた京都大賞典の着順以上に強い内容から、トーセンラーにも高い評価を与えていた。
レースでは、トーセンラーは、後方の馬群の中で脚をため、直線に向いて外に持ち出されると、一頭だけ次元の違う脚を使ってまとめて差しきり、第30回マイルチャンピオンシップを制覇した。
トーセンラーの第30回マイルチャンピオンシップの勝利という結果は、イン有利で差しが届きにくい馬場で且つスローペースの展開をまとめて差し切ったものであり、1馬身の着差以上に強い内容で
あった。
よって、第30回マイルチャンピオンシップ以降のマイル戦線の競馬予想においては、王道戦線の一線級と差のない競馬をしてきたトーセンラーの力が抜けていると判断すべきである。
一方、第30回マイルチャンピオンシップの2着には、3番人気のダイワマッジョーレ(蛯名正義)が入った。
競馬理論の競馬予想では、インが有利な馬場で且つスローペースで脚を余しながらも2着を確保したスワンステークスのレース内容から、内枠を引いて好位のインを走れそうなダイワマッジョーレにも高い評価を与えていた。
レースでは、ダイワマッジョーレは、好スタートを切るとインの3番手の絶好位から競馬を進めた。そして、ダイワマッジョーレは、直線でも内を突いて一旦は先頭に立ったが、トーセンラーの差し脚には屈してしまい、2着止まりであった。
ダイワマッジョーレの第30回マイルチャンピオンシップの2着という結果は、直線で逃げたコパノリチャードに前をカットされる不利を受けたことを考慮しても、イン有利の馬場では絶好となるインの3番手を追走してのものであり、トーセンラーには力負けであった。
よって、第30回マイルチャンピオンシップ以降の重賞戦線の競馬予想においても、マイル戦線であれば常に上位争いをするダイワマッジョーレにそれなりの高い評価を与えて当然である。
一方、第30回マイルチャンピオンシップで1番人気に推されたダノンシャーク(福永祐一)は3着に敗れてしまった。ダノンシャークは、中団の馬群の中からレースを進め、直線で前が開くと突き抜けるかのような脚で追い込んできたが、ゴール寸前で伸びを欠いてしまい、3着止まりであった。
ダノンシャークの第30回マイルチャンピオンシップの3着という結果は、インが有利な馬場において7枠13番からの発走で外目を回されてしまったものであり、コース取りの差を考慮すると力負けでは
ない。
よって、第30回マイルチャンピオンシップ以降の重賞戦線の競馬予想においては、負けて強しの内容であったダノンシャークの巻き返しに注意すべきである。
以上のように、第30回マイルチャンピオンシップは、トーセンラーが初のマイルを克服し、格の違いを見せつけた。
競馬理論のファンの方は、短距離戦線よりも、クラシックを始めとする中長距離戦線の方がレベルが高いということを頭に入れておいて欲しい。
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