ヴィクトリアマイル(GⅠ)/東京/定量/1600m(右・芝)
第2回ヴィクトリアマイルも、NHKマイルカップに続き、大波乱の結果となった。
その大波乱の第2回ヴィクトリアマイルを制覇したのは、コイウタ(松岡)である。コイウタは、東京のマイル戦のクイーンカップ1着、桜花賞3着、ダービー卿チャレンジトロフィー3着など得意のマイル戦ならば重賞でも活躍する結果を残してきた。しかしながら、牝馬の一線級が相手となる第2回ヴィクトリアマイルでは、コイウタの能力では得意のマイル戦であっても厳しいと競馬理論は判断し、結果として無印評価としてしまった。競馬理論は、第2回ヴィクトリアマイルのレースが終わってからも、コイウタを、能力的には無印評価レベルであると判断している。
但し、第2回ヴィクトリアマイル当日の馬場状態を考慮できれば、アサヒライジングを本命にし、コイウタを抑え評価にすることは可能であったと考えている。第2回ヴィクトリアマイルが行われた日の東京の馬場は、内3~4頭分が極端に荒れていたので、結果的に逃げ馬を含む多くの馬がラチ沿いから離れて競馬を進めた。このため、高速馬場で上がりが速い競馬が続いているにもかかわらず、多くの騎手が外を回り過ぎる結果となってしまい、結果、この日の東京競馬場の芝のレースでは、逃げ馬や先行馬などの荒れた馬場の少し外を通った馬が活躍していた。つまり、第2回ヴィクトリアマイルが行われた日の東京競馬場の芝コースでは、大外から追い込む馬は皆無に近い状態となっていた。
よって、第2回ヴィクトリアマイルをレース直前に予想したとすれば、外から追い込むカワカミプリンセス(武幸四郎)、スイープトウショウ(池添謙一)、アドマイヤキッス(武豊)及びジョリーダンス(安藤勝)を本命に予想することはないだろう。逆に、先行するアサヒライジング又は内枠を引いたディアデラノビア(岩田)を重視して、予想しただろう。
競馬理論は、ファンの方に予想を提供するために、前日に予想せざるを得ないので、結果的には馬場状態の急変には対処できない。よって、競馬理論のファンの方は、競馬理論の予想を基に、自分で馬場状態を考慮できるように是非なって欲しい。
それでは、第2回ヴィクトリアマイルのレース回顧に戻る。
第2回ヴィクトリアマイルでは、コイウタは、好位の5~5番手から競馬を進め、直線では有力各馬が外を回る中、ポッカリと開いたインを突き、逃げるアサヒライジング(柴田善)を捕えて、第2回ヴィクトリアマイルを先頭でゴールした。第2回ヴィクトリアマイルにおけるコイウタの勝利という結果は、荒れた馬場の少し外を走らせた松岡騎手の好騎乗とスローペースの展開に恵まれたものである。よって、コイウタが次走以降のレースにおいて第2回ヴィクトリアマイルの勝利によって過剰に人気になるようであれば、競馬理論は、コイウタを押さえ程度の評価にとどめるべきと判断している。
第2回ヴィクトリアマイルにおいて、2着には、逃げたアサヒライジングが粘り込む結果となった。アサヒライジングは、競りかけてくる馬もおらず、結果、1000m通過58秒2のマイペースで逃げることができた。そして、アサヒライジングは、第2回ヴィクトリアマイルにおいて、直線でも馬場の4分どころを走って粘り込みを図ったが、コイウタにインから差されて2着に敗れた。アサヒライジングは、今年に入っての2戦は惨敗続きだったが、去年のG1での接戦歴を考えると、この程度走って当然といえる。
しかしながら、アサヒライジングの第2回ヴィクトリアマイルでの2着という結果は、コイウタの勝利と同様に、内側数頭分が荒れた馬場状態とスローペースの展開に恵まれたものである。よって、第2回ヴィクトリアマイルの2着という結果のみで、アサヒライジングが完全復調なったと考えるのは早計であると競馬理論では判断している。そのため、アサヒライジングが完全復調なったかどうかについては、次走以降で判断しようと競馬理論では考えている。
第2回ヴィクトリアマイルにおいて、 3着には、デアリングハートが入る結果となった。
第2回ヴィクトリアマイルでは、デアリングハートは、勝ったコイウタの外から競馬を進めて、直線では馬込みを割って、上がり33秒4の脚で追い込んだが届かず結果的に3着に敗れた。第2回ヴィクトリアマイルにおけるデアリングハートとコイウタとの差は、コース取りの差でしかなく、実力的には互角以上といえる。
よって、デアリングハートとコイウタの枠順が逆であれば、着順も逆の結果になっていただろう。競馬理論は、得意な1800m以下の距離であれば、今後も、デアリングハートに注目して予想すべきと考えている。
桜花賞馬キストゥヘブン(横山典)は、第2回ヴィクトリアマイルにおいて、先行して4着止まりという結果であった。キストゥヘブンは、第2回ヴィクトリアマイルでは、逃げたアサヒライジングから離れた2番手を進む絶好の展開にもかかわらず、直線で伸びを欠いて4着に敗れる閣下となった。
よって、キストゥヘブンの第2回ヴィクトリアマイルのレース内容は、4着の着順ほどの価値はない。そのため、桜花賞馬のキストゥヘブンが、今後の重賞で活躍する可能性は低いと競馬理論で判断している。
前哨戦の阪神牝馬ステークスを制したジョリーダンス(安藤勝)は、第2回ヴィクトリアマイルにおいて5着に敗れる結果となった。ジョリーダンスは、第2回ヴィクトリアマイルでは、外枠からの発走ということもあり、常に外を回らされ、直線に向いて大外から32秒9の脚で追い込んだものの、5着が精一杯という結果であった。
ジョリーダンスは、第2回ヴィクトリアマイルにおいて5着に敗れはしたものの、スローペースの展開と大外に振られたロスを考慮すると、レース内容的には一番といっていいだろう。よって、無事に秋のG1レースを迎えることさえできれば、ジョリーダンスが好走する可能性は高い。競馬理論は、ジョリーダンスの今後の活躍を期待している。
第2回ヴィクトリアマイルにおいて、人気のカワカミプリンセス(武幸四郎)及びスイープトウショウ(池添)は見せ場なく敗れた。カワカミプリンセスは、距離や馬場状態など様々な敗因が考えられるが、第2回ヴィクトリアマイルにおいてまったく見せ場がなかったことを考えると、最大の敗因は体調であろう。
カワカミプリンセスが能力的に現役牝馬最強であることは疑う余地がないので、体調さえ立て直してくれば、カワカミプリンセスは復活できる。競馬理論は、強いカワカミプリンセスの復活劇を期待している。
もう一頭の人気馬のスイープトウショウは、第2回ヴィクトリアマイルにおいて、外が伸びない馬場に殺されたのも確かだが、5歳牝馬でピークを過ぎたというのが正直な感想である。よって、力が衰えたスイープトウショウに往年の実績程度の評価を与えるべきではないと競馬理論では判断している。
以上のように、第2回ヴィクトリアマイルは、インが荒れた馬場状態とスローペースの展開により、大波乱の結果となった。その第2回ヴィクトリアマイルでは、5着に破れたジョリーダンスのレース内容が目を引いた。
よって、競馬理論は、ジョリーダンスの今後のレースに注目していこうと考えている。また、現役牝馬実力ナンバーワンのカワカミプリンセスの復活劇にも注目していきたいと競馬理論では考えている。
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