宝塚記念(GⅠ)/京都/定量/2200m(右・芝)
第54回宝塚記念は三強対決として注目されたが、天皇賞で人気を裏切ったゴールドシップの巻き返しで幕を閉じた。
競馬理論の競馬予想では、外の差しも不利とならない馬場状態と、去年の有馬記念の着差以上に強いレース内容から、ゴールドシップが巻き返す可能性が高いと判断し、本命に予想した。
レースでは、ゴールドシップはスタートで内田騎手に気合をつけられたことにより、いつもより前目の位置となる3~4番手の外目からレースを進めた。
そしてゴールドシップは、3コーナー過ぎから内田騎手に追っ付けられ反応が悪いようにも見えたものの、直線に向くとあっという間に突き抜けて、第54回宝塚記念を制覇した。
ゴールドシップの第54回宝塚記念の勝利という結果は、先行して自ら勝ちに行く競馬により2着に3馬身半もの差をつけており、力の違いを見せつけた。
よって第54回宝塚記念以降のG1戦線の競馬予想においても、ここにきて、更に先行する競馬を身につけたゴールドシップに、本命級の高い評価を与えて当然である。
特に秋のG1戦線でのオルフェーヴルとの対決が楽しみとなった。
第54回宝塚記念では5番人気のダノンバラード(川田将雅)が2着に入った。
競馬理論の競馬予想では、アメリカジョッキークラブカップの勝利を評価しつつも、3強を逆転するためには相当の展開の助けが必要と判断し、ダノンバラードの評価を下げてしまった。
レースでは、ダノンバラードはシルポートの大逃げから離れた2番手を追走した。
そしてダノンバラードは、直線で早めにゴールドシップに交わされながらも粘り腰を発揮し、2着を確保した。
ダノンバラードの第54回宝塚記念の2着という結果は、シルポートの大逃げによりマイペースの単騎逃げと同じ状態の展開に恵まれたものであり、レース内容としては着順ほどの価値はない。
よって今後のG1戦線の競馬予想においては、ダノンバラードに第54回宝塚記念2着馬ほどの高い評価は不要である。
さて、第54回宝塚記念で1番人気に推されたジェンティルドンナ(岩田康誠)は3着に敗れてしまった。
レースでは、ジェンティルドンナはダノンバラードの直後のインをゴールドシップと並んで追走したものの、直線ではジリジリとしか伸びず、3着止まりであった。
ジェンティルドンナの第54回宝塚記念の3着という結果は、ドバイからの遠征帰りという事情を考慮しても、ダノンバラードを交わせなかったことは残念であった。
よって今後のG1戦線の競馬予想においては、展開に恵まれてのジャパンカップ馬という理由だけで過剰に人気になるようであれば、ジェンティルドンナの評価を下げるべきである。
ただし、ジェンティルドンナは、好位のインを追走する器用な先行力を持つので、イン有利の馬場や前残りの展開である場合には、評価を上げるべきである。
さて、天皇賞馬フェノーメノ(蛯名正義)も人気を裏切り、馬券圏外に敗れてしまった。
フェノーメノは、スタートすると馬場の荒れていない外目に持ち出され、ゴールドシップをマークするような位置から競馬を進めた。
そしてフェノーメノは、3コーナー過ぎから仕掛け気味に上がって行き、一旦はゴールドシップに並びかけたものの、直線に向くと突き放されてしまい、4着止まりであった。
フェノーメノの第54回宝塚記念の4着という結果は、ダノンバラード及びジェンティルドンナとはコース取りの差と見ることもできるが、ゴールドシップには力負けと言わざるを得ない。
よって今後のG1戦線の競馬予想においては、フェノーメノが好走するためには、メンバーや展開などの助けが必要と判断すべきである。
以上のように第54回宝塚記念は、三強対決として注目されたが、結果としてはゴールドシップの強さだけが目立つ一戦となった。
競馬理論のファンの方は、ゴールドシップの今後の走りに大いに期待して頂きたい。
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