優駿牝馬(GⅠ)/東京/定量/2400m(左・芝)
今週は、フルゲート18頭に対して21頭もの出走登録馬があった牝馬クラシック第二弾オークス(2021年)の予想について解説する。
桜花賞2着馬サトノレイナスが日本ダービーに向かったことにより、桜花賞馬ソダシが単勝1倍台の断然人気となりそうだが、いつも展開に恵まれており、波乱の可能性もあり得る。
なお、ソダシは、白毛ということもあり、今年のオークスは例年以上の注目を集めそうである。
そこで、競馬理論の競馬予想では、オークスの出走予定馬の能力をステップレースごとに分析する。
目次
桜花賞組
1着のソダシ(吉田隼人)・3着のファインルージュ(福永祐一)・4着のアカイトリノムスメ(ルメール)・5着のアールドヴィーヴル(松山弘平)・6着のククナ(横山武)・8着のエンスージアズム(岩田望)・9着のホウオウイクセル(丸田恭介)・12着のストライプ(柴田善臣)の8頭が出走登録している。
ソダシ
桜花賞の勝利という結果は、サトノレイナスの追い上げを凌ぎきったことは立派だが、好位のインを追走する展開に恵まれたものでもある。
また、ソダシは、阪神ジュベナイルフィリーズ及びアルテミスステークスでも、スローペースで好位を追走する展開に恵まれており、他馬と絶対的な能力差を感じるわけではない。
ただし、ソダシは、いつも絶好位を確保できる器用な先行力があることも確かである。
よって、オークスの予想においては、5戦5勝と能力的にも底を見せていないソダシに高い評価を与えて当然だが、単勝1倍台というほどの絶対視は禁物である。
ファインルージュ
桜花賞の3着という結果は、ソダシの直後で脚をためて、同じようなコース取りで脚を伸ばしたが、ソダシとの差が詰まらず、0秒1差で敗れた。
なお、ファインルージュは、フェアリーステークスを着差以上に強い内容で圧勝している。
よって、オークスの予想においては、展開の助けがあれば、ファインルージュも好走可能と判断すべきである。
アカイトリノムスメ
桜花賞の4着という結果は、ソダシと並ぶ位置を進んだが、一頭分外を回らされた分だけ敗れてしまったイメージで、能力的には互角以上である。
なお、アカイトリノムスメは、オークス馬アパパネの娘であり、距離延長はプラスに働きそうである。
よって、オークスの予想においては、ルメール騎手騎乗をも加味すると、アカイトリノムスメの逆転まであり得ると判断すべきである。
アールドヴィーヴル
桜花賞の5着という結果は、上位からは離されてしまったが、コース取りの差を考えると着差ほどの能力差はない。
なお、アールドヴィーヴルは、クイーンカップにおいて、アカイトリノムスメと互角の競馬をしている。
よって、オークスの予想においては、差しが届く展開になるようであれば、アールドヴィーヴルにも注意を払うべきである。
ククナ・エンスージアズム・ホウオウイクセル・ストライプ
桜花賞のレース内容は見所がなかった。
よって、オークスの予想においては、ククナ、エンスージアズム、ホウオウイクセル及びストライプに高い評価は不要である。
フローラステークス組
1着のクールキャット(武豊)・2着のスライリー(石川裕紀人)・3着のユーバーレーベン(ミルコ・デムーロ)・4着のメイサウザンアワー・5着のウインアグライア(和田竜二)・6着のパープルレディー(田辺裕信)の合計6頭が出走を予定している。
クールキャット
フローラステークスの勝利という結果は、2着に1馬身もの差をつけてのものだが、スローペースを気分よく先行する展開に恵まれたものでもある。
なお、クールキャットは、1600m~1800m戦において、桜花賞上位組に敗れており、フローラステークス組自体のレースのレベルに疑問も残る。
よって、オークスの予想においては、クールキャットが好走するためには、楽に好位を確保できるというような展開の助けが必要と判断すべきである。
スライリー
フローラステークスの2着という結果は、楽に先行しながらも、クールキャットに離されてしまった。
よって、オークスの予想においては、スライリーに高い評価は不要である。
ユーバーレーベン
フローラステークスの3着という結果は、中団の外目追走から上がり33秒2の脚を使ったが、脚を余してしまい上位2頭には届かなかった。
なお、ユーバーレーベンは、阪神ジュベナイルフィリーズにおいて、桜花賞の上位2頭と差のない競馬をしており、レース内容としても互角であった。
よって、オークスの予想においては、外の差しが届く展開になるようであれば、ユーバーレーベンの差し切りまであり得ると判断すべきである。
メイサウザンアワー・ウインアグライア・パープルレディー
フローラステークスのレース内容は見所がなかった。
よって、オークスの予想においては、メイサウザンアワー、ウインアグライア及びパープルレディーに高い評価は不要である。
スイートピーステークス組
1着タガノパッション(岩田康誠)・4着のスウィートブルーム(柴田大知)の合計2頭が出走登録している。
タガノパッション
スイートピーステークスの勝利という結果は、弱いメンバー構成に恵まれたことは確かだが、2馬身差は立派である。
よって、オークスの予想においては、能力的に底を見せていないタガノパッションがスイートピーステークス組ということで人気にならないようであれば、それなりの評価を与えるべきである。
スウィートブルーム
スイートピーステークスのレース内容は見所がなかった。
よって、オークスの予想においては、スウィートブルームに高い評価は不要である。
忘れな草賞組
1着のステラリア(川田将雅)が出走登録している。
ステラリア
忘れな草賞の勝利という結果は、中団の外目追走から、逃げたエイシンヒテンをきっちりと差し切った。
なお、ステラリアは、クイーンカップで6着に敗れているが、スタートで躓いた割には2馬身弱の差まで追い込んでいる。
更に、ステラリアは、ベゴニア賞において、後の青葉賞2着馬キングストンボーイと互角の競馬をしている。
よって、オークスの予想においては、ステラリアにもそれなりの高い評価を与えるべきである。
ミモザ賞組
1着のスルーセブンシーズ(戸崎圭太)が出走を予定している。
スルーセブンシーズ
ミモザ賞の勝利という結果は、ミモザ賞において、スウィートブルームを2馬身半もの差をつけて圧勝しており、力の違いを見せつけた。
よって、オークスの予想においては、差しが届く展開になるようであれば、スルーセブンシーズにもそれなりの注意を払うべきである。
以上、オークスに出走登録している有力各馬の能力を分析した。
この分析結果に、展開、調教、枠順、人気及び馬場状態などの様々な要素を加味して、オークス(2021年)の最終的な予想を決断する。
教えてマスターQ&A オークス編
2021年オークスに関する以下の質問に予想屋マスターが【教えてマスターQ&A・オークス・2021】で答えています。こちらの記事とあわせてご覧ください。
主な出走馬
馬名 | 前走 | 馬名 | 前走 |
ソダシ | 桜花賞(G1)1着 | スライリー | フローラS(G2)2着 |
アカイトリノムスメ | 桜花賞(G1)4着 | タガノパッション | スイートピーS(L)1着 |
ユーバーレーベン | フローラS(G2)3着 | パープルレディー | フローラS(G2)6着 |
クールキャット | フローラS(G2)1着 | スルーセブンシーズ | ミモザ賞1着 |
ファインルージュ | 桜花賞(G1)3着 | ホウオウイクセル | 桜花賞(G1)9着 |
アールドヴィーヴル | 桜花賞(G1)5着 | エンスージアズム | 桜花賞(G1)8着 |
ステラリア | 忘れな草賞(L)1着 | ウインアグライア | フローラS(G2)5着 |
ククナ | 桜花賞(G1)6着 | ニーナドレス | 君子蘭賞1着 |
過去10年の連対馬一覧表
年度 | 着 | 馬番 | 馬名 | 人気 | 騎手 |
2020 | 1 | 4 | デアリングタクト | 1 | 松山弘 |
2 | 16 | ウインマリリン | 7 | 横山典 | |
3 | 7 | ウインマイティー | 13 | 和田竜 | |
2019 | 1 | 13 | ラヴズオンリーユー | 1 | Mデム |
2 | 10 | カレンブーケドール | 12 | 津村明 | |
3 | 2 | クロノジェネシス | 2 | 北村友 | |
2018 | 1 | 13 | アーモンドアイ | 1 | Cルメ |
2 | 1 | リリーノーブル | 4 | 川田将 | |
3 | 2 | ラッキーライラック | 2 | 石橋脩 | |
2017 | 1 | 2 | ソウルスターリング | 1 | Cルメ |
2 | 1 | モズカッチャン | 6 | 和田竜 | |
3 | 16 | アドマイヤミヤビ | 2 | Mデム | |
2016 | 1 | 3 | シンハライト | 1 | 池添謙 |
2 | 13 | チェッキーノ | 2 | 戸崎圭 | |
3 | 14 | ビッシュ | 5 | Mデム | |
2015 | 1 | 10 | ミッキークイーン | 3 | 浜中俊 |
2 | 14 | ルージュバック | 1 | 戸崎圭 | |
3 | 17 | クルミナル | 6 | 池添謙 | |
2014 | 1 | 9 | ヌーヴォレコルト | 2 | 岩田康 |
2 | 10 | ハープスター | 1 | 川田将 | |
3 | 5 | バウンスシャッセ | 3 | 北村宏 | |
2013 | 1 | 3 | メイショウマンボ | 9 | 武幸四 |
2 | 13 | エバーブロッサム | 5 | 戸崎圭 | |
3 | 5 | デニムアンドルビー | 1 | 内田博 | |
2012 | 1 | 14 | ジェンティルドンナ | 3 | 川田将 |
2 | 9 | ヴィルシーナ | 2 | 内田博 | |
3 | 3 | アイスフォーリス | 9 | 松岡正 | |
2011 | 1 | 4 | エリンコート | 7 | 後藤浩 |
2 | 18 | ピュアブリーゼ | 8 | 柴田善 | |
3 | 12 | ホエールキャプチャ | 2 | 池添謙 |
Q1:東京芝2,400mの特徴
東京芝2,400mの特徴を教えてください。1枠有利、外枠不利みたいですが気にしたほうがいいですか?
Q2:ソダシは強運?
桜花賞の勝ち馬ソダシは、阪神JFでも内枠を引いて展開にも恵まれていますが今だ負けなしです。今回はサトノレイナスがいなくて、アカイトリノムスメにルメール騎手が騎乗しますが、1強とみていいですか?マスターはそんなに強くない気もする、と言っていましたが、改めてソダシの評価を教えてください。
Q3:桜花賞組の評価
桜花賞組から勝ち馬ソダシ、3着ファインルージュ、4着アカイトリノムスメ、5着アールドヴィーヴル、6着ククナ、8着エンスージアズム、9着ホウオウイクセル、12着ストライプが出走します。ファインルージュは内目でロスなく乗っていたと思いました。4着アカイトリノムスメと5着のアールドヴィーヴルは少し間が空いていましたが、5着以下の馬は上位と差があるとみていいのでしょうか?
Q4:フローラS組の評価
フローラSから1着クールキャット、2着スライリー、3着ユーバーレーベン、5着ウインアグライア 、6着パープルレディーが出走予定です。最初のコーナーで2番人気のユーバーレーベンと3番人気のパープルレディーぶつかっていましたが、これがなければ2頭とももっと上位だったと思いますか?またユーバーレーベンはフラワーCで2着、阪神JFで3着ですが、今ひとつ運がなかったのか、競馬が上手ではないのか、力負けなのか、どう思いますか?
Q5:ステラリアの評価
忘れな草賞(L)勝ち馬のステラリアは前走のクイーンCでは後方から追い込んで6着、2着のエイシンヒテンは前走のフィリーズレビューで11着(出遅れ)、前々走のクイーンCで逃げて4着です。忘れな草賞でエイシンヒデンには勝ちましたが、大きく差がないことを考えると、ステラリアが桜花賞組より上にいくのは難しいでしょうか?
Q6:タガノパッションの評価
3戦目のスイートピーS(L)で快勝したタガノパッションについて。3月にデビューしたばかりで、デビュー戦では出遅れて最後方から追い込んでの3着でした。前々走の未勝利戦では早めに捲っていきゴール前で差されそうでしたが粘り、勝ちました。スイートピーSも強く見えたのですが、桜花賞組に通用するでしょうか?
Q7:血統からみる芝2,400mの距離適性
ネットではソダシは血統から距離不安がある、アカイトリノムスメは距離適性がある、いやない、と様々な意見があるみたいです。椎名さんはどう思いますか?また距離が向くおすすめしたい馬はいますか?
Q8:マスターの予想ファクター
マスターは、予想のファクターは一つではなく、様々な要素を組み立てて予想をされている印象です。その中で最も重視すべきファクターはその時の状況(レース条件、馬場状態等)で変わるのでしょうか?
予想屋マスター事務局スタッフ片山・麻生が担当しております。 ご意見、ご要望などいただけたら嬉しいです。