阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)/阪神/馬齢/1600m(右・芝)
今週は、フルゲート18頭に対して23頭もの出走登録があった阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神JF2021年)の予想について解説する。
阪神ジュベナイルフィリーズは、2歳女王決定戦というだけでなく、2022年の牝馬クラシック戦線を占う意味でも注目される。
去年はソダシが人気に応えて勝利を収めて後には桜花賞馬となっているが、初対戦となる馬が多く、波乱含みのレースである。
そこで、競馬理論の競馬予想では、阪神ジュベナイルフィリーズの出走予定馬の能力をステップレースごとに分析する。
目次
ファンタジーステークス組
1着のウォーターナビレラ(武豊)・2着のナムラクレア(浜中俊)・5着のアネゴハダ(幸英明)の合計3頭が出走登録している。
ウォーターナビレラ
ファンタジーステークスの勝利という結果は、平均よりややスローペースの流れの中で逃げ馬から離れた2番手を気分よく追走する展開に恵まれた感はあるが、着差以上に余裕があったことも確かである。
また、ウォーターナビレラは、サフラン賞も圧勝しているが、1000m通過62秒強のスローペースを先行する展開にも恵まれた。
よって、阪神ジュベナイルフィリーズの予想においては、ウォーターナビレラに高い評価を与えるべきだが、先行争いが激しくなるようであれば絶対視は禁物である。
ナムラクレア
ファンタジーステークスの2着という結果は、前半行きたがっていたこと且つスローペースの分だけ届かなかったが、レース内容としてはそこまで大きな差がなかった。
ただし、ナムラクレアは、デビュー戦の1600m戦で3着に敗れており、気性的にも距離延長はマイナスである。
よって、阪神ジュベナイルフィリーズの予想においては、ナムラクレアに押さえ程度の評価を与えれば十分である。
アネゴハダ
ファンタジーステークスのレース内容は、上位2頭に離されてしまっており、見どころはなかった。
よって、阪神ジュベナイルフィリーズの予想においては、アネゴハダに高い評価は不要である。
アルテミスステークス組
1着のサークルオブライフ(ミルコ・デムーロ)・2着のベルクレスタ(松山弘平)の合計2頭が出走を予定している。
サークルオブライフ
アルテミスステークスの勝利という結果は、スローペースの前残りの展開を差し切ったことは立派だが、内で脚をためてロスのない競馬をさせたミルコ・デムーロ騎手の好騎乗に恵まれた感もある。
また、サークルオブライフは、デビュー戦で、相手がイクイノックスだったとは言えども、7馬身も離されてしまっている。
よって、阪神ジュベナイルフィリーズの予想においては、サークルオブライフにもそれなりの評価を与えるべきだが、人気になるようであれば評価を下げるのも一つの手である。
ベルクレスタ
アルテミスステークスの3着という結果は、先行2頭から離れた3番手を気分良く追走する展開に恵まれたが、サークルオブライフの決め手に屈してしまった。
なお、ベルクレスタは、デビュー戦でセリフォスに敗れはしているが、セリフォスは重賞2勝の実績馬であり、相手が悪すぎた。
よって、阪神ジュベナイルフィリーズの予想においては、展開の助けがあれば、ベルクレスタも好走可能と判断すべきである。
サウジアラビアレーシングカップ(サウジアラビアRC)組
2着のステルナティーア(ルメール)が出走登録している。
ステルナティーア
サウジアラビアレーシングカップの2着という結果は、来年の牡馬クラシックの最有力候補といわれているコマンドラインに敗れたが、きっちりと2着を確保したことは価値がある。
ただし、サウジアラビアレーシングカップでクビ差3着のスタニングローズが、次走のデイリー杯2歳ステークスで5着に敗れてしまっており、サウジアラビアレーシングカップのレースのレベルが高かったと言い切ることもできない。
よって、阪神ジュベナイルフィリーズの予想においては、ステルナティーアにもそれなりの高い評価を与えるべきだが、過大評価は禁物でもある。
赤松賞組
1着のナミュール(クリスチャンデムーロ)が出走を予定している。
ナミュール
赤松賞の勝利という結果は、スタートで出負けしたものの、イン有利の馬場で外を回って差し切る非常に強い内容であった。
また、全体時計・上がりともに、この日の馬場を考えると優秀である。
よって、阪神ジュベナイルフィリーズの予想においては、急激なメンバー強化であっても、ナミュールに本命級のかなり高い評価を与えるべきである。
京王杯2歳ステークス組
3着のラブリイユアアイズ(団野)が出走登録している。
ラブリイユアアイズ
京王杯2歳ステークスの3着という結果は、スローの前残りの展開の中で出遅れて位置取りが悪くなってしまったものであり、力負けではない。
なお、ラブリイユアアイズは、京王杯2歳ステークス馬キングエルメスをクローバー賞で破っており、スタートを決めれば際どい競馬になったはずである。
よって、阪神ジュベナイルフィリーズの予想においては、ラブリイユアアイズにもそれなりの高い評価を与えるべきである。
阪神の新馬戦組
1着のスプリットザシー(池添謙一)が出走を予定している。
スプリットザシー
阪神の新馬戦の勝利という結果は、2着馬に1馬身以上の差をつけており、着差以上に強い内容であった。
よって、阪神ジュベナイルフィリーズの予想においては、急激なメンバー強化であっても能力的に底を見せていないスプリットザシーに押さえ程度の評価は与えるべきである。
以上、阪神ジュベナイルフィリーズに出走登録している有力各馬の能力を分析した。
この分析結果に、展開、調教、枠順、人気及び馬場状態などの様々な要素を加味して、阪神ジュベナイルフィリーズ(2021年)の最終的な予想を決断する。
過去10年の連対馬一覧表
年度 | 着 | 馬番 | 馬名 | 人気 | 騎手 |
2020 | 1 | 6 | ソダシ | 1 | 吉田隼 |
2 | 7 | サトノレイナス | 2 | Cルメ | |
3 | 11 | ユーバーレーベン | 6 | Mデム | |
2019 | 1 | 4 | レシステンシア | 4 | 北村友 |
2 | 9 | マルターズディオサ | 6 | 田辺裕 | |
3 | 10 | クラヴァシュドール | 3 | 藤岡佑 | |
2018 | 1 | 13 | ダノンファンタジー | 1 | Cデム |
2 | 9 | クロノジェネシス | 2 | 北村友 | |
3 | 11 | ビーチサンバ | 4 | 福永祐 | |
2017 | 1 | 11 | ラッキーライラック | 2 | 石橋脩 |
2 | 7 | リリーノーブル | 3 | 川田将 | |
3 | 4 | マウレア | 4 | 戸崎圭 | |
2016 | 1 | 2 | ソウルスターリング | 1 | Cルメ |
2 | 18 | リスグラシュー | 2 | 戸崎圭 | |
3 | 4 | レーヌミノル | 3 | 蛯名正 | |
2015 | 1 | 2 | メジャーエンブレム | 1 | Cルメ |
2 | 13 | ウインファビラス | 10 | 松岡正 | |
3 | 11 | ブランボヌール | 3 | 岩田康 | |
2014 | 1 | 16 | ショウナンアデラ | 5 | 蛯名正 |
2 | 11 | レッツゴードンキ | 2 | 浜中俊 | |
3 | 4 | ココロノアイ | 4 | 横山典 | |
2013 | 1 | 8 | レッドリヴェール | 5 | 戸崎圭 |
2 | 10 | ハープスター | 1 | 川田将 | |
3 | 6 | フォーエバーモア | 8 | 蛯名正 | |
2012 | 1 | 1 | ローブティサージュ | 5 | 秋山真 |
2 | 7 | クロフネサプライズ | 15 | 柴山雄 | |
3 | 10 | レッドセシリア | 10 | 三浦皇 | |
2011 | 1 | 13 | ジョワドヴィーヴル | 4 | 福永祐 |
2 | 11 | アイムユアーズ | 8 | Iメン | |
3 | 18 | サウンドオブハート | 1 | 武豊 |
出走登録馬
馬名 | 前走 | 馬名 | 前走 |
ウォーターナビレラ | ファンタジーS(G3)1着 | シンシアウィッシュ | 白菊賞(1勝クラス)8着 アルテミスS(G3)4着 |
サークルオブライフ | アルテミスS(G3)1着 | パーソナルハイ | 赤松賞(1勝クラス)2着 |
ステルナティーア | サウジアラビアRC(G3)2着 | サク | 2歳新馬 1着 |
ベルクレスタ | アルテミスS(G3)2着 | ナムラリコリス | 函館2歳S(G3)1着 |
ナムラクレア | ファンタジーS(G3)2着 小倉2歳S(G3)1着 | キミワクイーン | 2歳1勝クラス 1着 新潟2歳S(G3)6着 |
ナミュール | 赤松賞(1勝クラス)1着 | ダークペイジ | りんどう賞 1着 |
ラブリイユアアイズ | 京王杯2歳S(G2)3着 | エンタングルメント | 2歳新馬 1着 |
アネゴハダ | ファンタジーS(G3)5着 小倉2歳S(G3)3着 | シークルーズ | 2歳新馬 1着 |
スプリットザシー | 2歳新馬 1着 | サウンドビバーチェ | 白菊賞(1勝クラス)2着 |
ルージュラテール | 白菊賞(1勝クラス)1着 | トーホウラビア | 白菊賞(1勝クラス)3着 |
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Q1:阪神芝1,600mの特徴
阪神芝1,600mの特徴を教えてください。今年は変則開催で、阪神競馬10週目です。例年より使い込まれた馬場になっているかと思いますが、注意するべき点があれば教えてほしいです。
Q2:ファンタジーS組の評価
ファンタジーSから2番人気1着のウォーターナビレラ、1番人気2着のナムラクレア、6番人気5着のアネゴハダが出走予定です。ウォーターナビレラは逃げ馬と離れた2番手で、マスターがよく言う『絶好位』を追走していました。新馬戦は逃げ、2戦目も2番手追走で展開には恵まれていますがいつも最後までよく伸びる印象です。ナムラクレアは馬込みの中で掛かっていたように見えました。2走前の小倉2歳Sでは大外ぶん回しで勝ち、3走前のフェニックス賞では出遅れましたがすぐ先団にとりつき、雨の不良馬場を勝っています。ただ、1,600mを走ったのは新馬戦(3着)だけです。距離は大丈夫でしょうか?アネゴハダは新馬戦はダートで先行しましたがその後は芝で後ろから追い込む競馬をしています。マスターはどの馬を上位にとりますか?
Q3:アルテミスS(G3)組の評価
アルテミスSから7番人気1着のサークルオブライフ、2番人気2着のベルクレスタ、4番人気4着のシンシアウィッシュが出走予定です。サークルオブライフは後方の内で脚を溜めて、先行したベルクレスタをゴール前で差し切りました。サークルオブライフは新馬戦3着ですが、この時の1着はイクイノックスで、東京スポーツ杯で勝ち強かったです。ベルクレスタは新馬戦でスタートが悪く外を回って2着で、この時1着のセリフォスはこの後新潟2歳S(G3)とデイリー杯2歳S(G2)で連勝しました。シンシアウィッシュは中団でやや掛かって追走していて、最後も伸びましたが上位とは離されました。マスターはどの馬を上に評価しますか?
Q4:ステルナティーアの評価
サウジアラビアRCで2番人気2着のステルナティーアについて。スローペースで前目を追走しましたが、後ろにいたコマンドラインがスローペースを気にしてか中団からまくって2番手につけ押し切り勝ち、ステルナティーアも追いましたが届きませんでした。新馬戦も大外を回りましたが快勝でした。今回はルメール騎手が騎乗で人気になりそうですが、マスターの評価を教えてください。
Q5:赤松賞組の評価
赤松賞から4番人気1着の ナミュール、6番人気2着のパーソナルハイが出走予定です。パーソナルハイが離し逃げをしましたが、直線でナミュールに差され2馬身差付きました。ナミュールは新馬戦でも赤松賞でも出遅れから前目につけて、2馬身差で勝っています。今年の赤松賞のレベルが今一つ分からないのですが、マスターの見解を教えてください。
Q6:ラブリイユアアイズの評価
京王杯2歳S(G2)から3番人気3着のラブリイユアアイズが出走予定です。このレースの勝ち馬キングエルメスとは前々走のクローバー賞で対戦しており、ラブリイユアアイズが1着、キングエルメスが5着でした。スローペースだったので、キングエルメスに展開が向いたと思います。ラブリイユアアイズは少し出遅れ、中団の馬込みに入り、走りにくそうにも見えました。今回初の1,600mとなりますが、マスターの評価を教えてください。
Q7:白菊賞(1勝クラス)の評価
白菊賞組から3番人気1着のルージュラテール、5番人気2着のサウンドビバーチェ、8番人気3着のトーホウラビアン、1番人気8着のシンシアウィッシュが出走登録しています。逃げたトーホウラビアンを外からルージュラテールとサウンドビバーチェが差し切りました。マスターが逃げると予想していたトップキャストは逃げす滅茶苦茶かかっていました。1番人気のシンシアウィッシュも飛んで少頭数なのに小波乱となったレースですが、シンシアウィッシュは出遅れ、内にささるのを気にしてか外を大きく回っていました。右回りは合わないのでしょうか?ルージュラテールは最後方で脚を溜め最後よく伸びましたが、前々走のアイビーSではスローペースで先行して3番人気6着でした。脚を溜める競馬が合うのか、白菊賞組のレベルが低いのかどちらでしょうか?
Q8:ルメール騎手の買い方
今年も200勝しそうなルメール騎手ですが、近走で『上手い!』と唸ったレースがあれば教えてください。また、明らかにルメール騎手が過剰人気で飛びそうなレースを選んで買うのはありでしょうか?もしくはルメール騎手が来そうな固い軸を選んで、人気薄の来そうな馬を選ぶ買い方の方がいいのでしょうか?
予想屋マスター事務局スタッフ片山・麻生が担当しております。 ご意見、ご要望などいただけたら嬉しいです。