阪神大賞典(GⅡ)/阪神/別定/3000m(右・芝)
今週は、フルゲート16頭に対して14頭の出走登録馬にとどまった阪神大賞典(2022年)の予想について解説する。
阪神大賞典は、勝ち馬に天皇賞春への優先出走権が与えられることもあり、2022年の長距離戦線を占う意味でも注目を集める。
阪神大賞典では、連覇を狙うディープボンドが断然の1番人気になりそうだが、メンバーが低調で馬券的には妙味が少ない一戦になりそうである。
そこで、競馬理論の競馬予想では、阪神大賞典の出走予定馬の能力をステップレースごとに分析する。
目次
有馬記念組
2着のディープボンド(和田竜二)・9着のユーキャンスマイル(藤岡佑介)が出走登録している。
ディープボンド
有馬記念の2着という結果は、エフフォーリアにこそ敗れてしまったが、クロノジェネシスに先着しており、弱い5歳世代ではあるものの確実に力をつけている。
また、ディープボンドは、去年の勝ち馬というだけでなく、天皇賞春でも2着に好走しており、長距離のスタミナ比べは得意な舞台である。
よって、阪神大賞典の予想においては、5歳世代ではトップとも言える力を持つようになったディープボンドの連覇の可能性が高いと判断すべきである。
ユーキャンスマイル
有馬記念の9着という結果は、見せ場すらなく力負けであったが、メンバーが強すぎただけと見ることもできる。
なお、ユーキャンスマイルは、去年の阪神大賞典で2着、一昨年の阪神大賞典の勝ち馬であり、最も得意な舞台である。
ただし、ユーキャンスマイルは、近走のレース内容を振り返ると、一昨年よりも衰えている感も否めない。
よって、阪神大賞典の予想においては、ユーキャンスマイルに、ディープボンドの相手候補程度の評価を与えれば十分である。
ダイヤモンドステークス組
3着のトーセンカンビーナ(石川)・10着のアドマイヤアルバ(原田)・12着のゴースト(鮫島駿)の合計3頭が出走を予定している。
トーセンカンビーナ
ダイヤモンドステークスの3着という結果は、最後方追走からよく追い込んだが、2着の11番人気ランフォザローゼスも外から追い込んでおり、外差し有利の展開と弱いメンバー構成に恵まれた感も否めない。
なお、トーセンカンビーナは、一昨年の阪神大賞典でも2着に追い込んでいるが、内で脚を溜める展開に恵まれたものである。
よって、阪神大賞典の予想においては、トーセンカンビーナに押さえ程度の評価を与えれば十分である。
アドマイヤアルバ・ゴースト
ダイヤモンドステークスのレース内容は見所がなかった。
よって、阪神大賞典の予想においては、アドマイヤアルバ及びゴーストに高い評価は不要である。
ステイヤーズステークス組
2着のアイアンバローズ(石橋脩)が出走登録している。
アイアンバローズ
ステイヤーズステークスの2着という結果は、途中から逃げる形だったとは言えども、開幕週の馬場で楽に逃げる展開に恵まれたものである。
よって、阪神大賞典の予想においては、アイアンバローズを、ステイヤーズステークスの2着というだけで過大評価は禁物である。
万葉ステークス組
1着のマカオンドール・3着のシルヴァーソニック(川田将雅)4着のマンオブスピリット(池添謙一)の合計3頭が出走を予定している。
マカオンドール
万葉ステークスの勝利という結果は、スローペースを出遅れながらもよく追い込んだが、イン有利の馬場で内を突く展開に恵まれた感もある。
ただし、マカオンドールは、兵庫特別でテーオーロイヤルと半馬身差の競馬をしており、そのテーオーロイヤルがダイヤモンドステークスを楽勝していることを考えると、重賞で通用してもおかしくはない。
よって、阪神大賞典の予想においては、マカオンドールにも押さえ程度の評価は与えるべきである。
シルヴァーソニック
万葉ステークスの3着という結果は、イン有利の馬場で終始外を回らされてのものであり、マカオンドールとは着差ほどの能力差はない。
また、シルヴァーソニックは、ステイヤーズステークスでも3着に好走しており、長距離のスタミナ比べは得意である。
よって、阪神大賞典の予想においては、シルヴァーソニックにも多少の注意を払うべきである。
マンオブスピリット
万葉ステークスの4着という結果は、内で脚を貯める展開ながらもジリジリとしか伸びなかった。
よって、阪神大賞典の予想においては、マンオブスピリットに高い評価は不要である。
目黒記念組
7着のサンアップルトン(松岡)が出走登録している。
サンアップルトン
目黒記念の7着という結果は、超スローペースの前残りの展開を考慮すると、レース内容としては着順ほど悪くない。
また、サンアップルトンは、アルゼンチン共和国杯において、オーソリティの3着に走っており、このときにはユーキャンスマイルに先着している。
よって、阪神大賞典の予想においては、長期休養明けであっても仕上がりさえ順調であれば、サンアップルトンにも押さえ程度の評価は与えるべきである。
以上、阪神大賞典に出走登録している有力各馬の能力を分析した。
この分析結果に、展開、調教、枠順、人気及び馬場状態などの様々な要素を加味して、阪神大賞典(2022年)の最終的な予想を決断する。
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過去10年の連対馬一覧表
年度 |
着 |
馬番 |
馬名 |
馬齢 |
人気 |
騎手 |
2021 |
1 |
6 |
ディープボンド |
牡4 |
3 |
和田竜 |
2 |
10 |
ユーキャンスマイル |
牡6 |
2 |
藤岡祐 |
|
3 |
5 |
ナムラドノヴァン |
牡6 |
9 |
内田博 |
|
2020 |
1 |
10 |
ユーキャンスマイル |
牡5 |
2 |
岩田康 |
2 |
4 |
トーセンカンビーナ |
牡4 |
5 |
藤岡康 |
|
3 |
6 |
メイショウテンゲン |
牡4 |
4 |
松山弘 |
|
2019 |
1 |
10 |
シャケトラ |
牡6 |
1 |
戸崎圭 |
2 |
7 |
カフジプリンス |
牡6 |
6 |
中谷雄 |
|
3 |
1 |
ロードヴァンドール |
牡6 |
10 |
横山典 |
|
2018 |
1 |
7 |
レインボーライン |
牡5 |
3 |
岩田康 |
2 |
6 |
サトノクロニクル |
牡4 |
4 |
川田将 |
|
3 |
8 |
クリンチャー |
牡4 |
1 |
武豊 |
|
2017 |
1 |
9 |
サトノダイヤモンド |
牡4 |
1 |
Cルメ |
2 |
3 |
シュヴァルグラン |
牡5 |
2 |
福永祐 |
|
3 |
4 |
トーセンバジル |
牡5 |
5 |
四位洋 |
|
2016 |
1 |
11 |
シュヴァルグラン |
牡4 |
1 |
福永祐 |
2 |
6 |
タンタアレグリア |
牡4 |
4 |
蛯名正 |
|
3 |
2 |
アドマイヤデウス |
牡5 |
3 |
岩田康 |
|
2015 |
1 |
8 |
ゴールドシップ |
牡6 |
1 |
岩田康 |
2 |
2 |
デニムアンドルビー |
牝5 |
7 |
浜中俊 |
|
3 |
1 |
ラストインパクト |
牡5 |
2 |
菱田裕 |
|
2014 |
1 |
1 |
ゴールドシップ |
牡5 |
1 |
岩田康 |
2 |
8 |
アドマイヤラクティ |
牡6 |
5 |
四位洋 |
|
3 |
2 |
バンデ |
牡4 |
3 |
松田大 |
|
2013 |
1 |
7 |
ゴールドシップ |
牡4 |
1 |
内田博 |
2 |
6 |
デスペラード |
牡5 |
3 |
武豊 |
|
3 |
3 |
フォゲッタブル |
牡7 |
5 |
Aシュ |
|
2012 |
1 |
1 |
ギュスターヴクライ |
牡4 |
3 |
福永祐 |
2 |
12 |
オルフェーヴル |
牡4 |
1 |
池添謙 |
|
3 |
6 |
ナムラクレセント |
牡7 |
5 |
和田竜 |
出走登録馬
馬名 |
馬齢 |
前走 |
馬名 |
馬齢 |
前走 |
ディープボンド |
牡5 |
有馬記念(G1)2着 |
サンアップルトン |
牡6 |
目黒記念(G2)7着 |
ユーキャンスマイル |
牡7 |
有馬記念(G1)9着 |
マンオブスピリット |
セ5 |
万葉S(OP)4着 |
トーセンカンビーナ |
牡6 |
ダイヤモンドS(G3) 3着 |
シルヴァーソニック |
牡6 |
万葉S(OP)3着 |
アイアンバローズ |
牡5 |
ステイヤーズS(G2) 2着 |
アドマイヤアルバ |
セ7 |
ダイヤモンドS(G3) 10着 |
マカオンドール |
牡4 |
万葉S(OP)1着 |
ゴースト |
セ6 |
ダイヤモンドS(G3) 12着 |
Q1:阪神芝3,000mの特徴
阪神芝3,000mの特徴を教えてください。変則開催で昨年と今年は6週目に行われます。例年より使い込まれた馬場になると思いますが、注意した方がいいポイントがあれば教えてください。
Q2:ディープボンドの評価
昨年の覇者で有馬記念で5番人気2着のディープボンドが出走予定です。有馬記念では途中から内目を確保し、ロスもなく、最後は外に出して伸びました。今回の出走予定馬を見ても、かなりの人気になりそうですが、マスターも勝つ確率はかなり高いと思いますか?また、有馬記念16番人気9着のユーキャンスマイルも出走登録しています。昨年の阪神大賞典は2着でしたが、近走は成績が冴えません。力が落ちたのでしょうか?
Q3:ステイヤーズS組の評価
ステイヤーズS(G2)から、4番人気2着のアイアンバローズ、5番人気3着のシルヴァーソニック、2番人気4着トーセンカンビーナ、8番人気5着のゴースト、11番人気6着のマンオブスピリット、12番人気9番アドマイヤアルバが出走予定です。アイアンバローズは途中からハナに立ち粘り、シルヴァーソニックは外目3番手追走で、トーセンカンビーナはスタートで立ち上がってしまい、途中から捲り気味に押して行きました。ゴーストは外枠から内目を確保し粘りましたが最後は伸び負けました。この中だとトーセンカンビーナが強くみえたのですが、マスターの評価を教えてください。
Q4:万葉S組の評価
万葉Sから1番人気1着のマカオンドール 、2番人気3着のシルヴァーソニック、8番人気4着のマンオブスピリットが出走予定です。マカオンドールは出遅れから後方内目を追走し、直線は最内を突いて伸びて勝ちました。シルヴァーソニックは外目追走で最後は馬込みから抜け、マンオブスピリットは後方の内目追走から外に出して伸びました。ステイヤーズ組に勝ったマカオンドールを強いとみるか、斤量も軽く内を突けた展開に恵まれたのか、どちらでしょうか?
Q5:ダイヤモンドS組の評価
ダイヤモンドS(G3)から5番人気3着トーセンカンビーナ、12番人気10着のアドマイヤアルバ、10番人気12着のゴーストが出走登録しています。トーセンカンビーナは出遅れから後方からの競馬で、直線は大外を伸びました。アドマイヤアルバは後方の内目を追走しましたが伸びず、ゴーストは好位の3番手追走でしたが脚が止まりました。1番人気のレクセランスが9着、11番人気のランフォザローゼスが2着となり波乱となったレースです。万葉Sではレクセランスが2着でしたが、万葉Sのレベルが低かったのでしょうか?又はダイヤモンドSの方が距離が400m長いので、比較は難しいのでしょうか?
Q6:サンアップルトンの評価
目黒記念6番人気7着のサンアップルトンが出走登録しています。スローペースで前に行った馬で決まったレースで、サンアップルトンは後方で届きませんでした。4歳の時に日経賞で4着になった後骨折し、昨年の目黒記念の後も骨折して休養となりました。オーソリティも青葉賞と天皇賞春の後に2度骨折しているそうですが、ジャパンC2着、サウジのネオムターフCで優勝し活躍しています。骨折休養明けはそんなに心配する必要がないのでしょうか?マスターと椎名さんの見解を教えてください。
Q7:今年の阪神大賞典のイメージは?
今年の阪神大賞典は、スローになって直線ヨーイドンになるか、まあまあペースが上がって最後バテ合いになるか、どちらに近くなりそうでしょうか?
Q8:好きな馬を買ってしまう
つい好きな馬を追いかけて買ってしまいます。逃げ馬ならまだ当たることもあるのですが、差し馬だと外れることが多いです。椎名さんはマスターとこのチャンネルをやるようになってから、馬券の買い方が変わった、と仰っていましたが、好きな馬だけどこのレースは買わない、というのはできていますか?
予想屋マスター事務局スタッフ片山・麻生が担当しております。 ご意見、ご要望などいただけたら嬉しいです。