チャンピオンズカップ(GⅠ)/中京/定量/1800m(左・ダート)
今週は、フルゲート16頭に対して地方馬カジノフォンテンを含め19頭もの出走登録馬があったチャンピオンズカップ(2021年)の予想について解説する。
チャンピオンズカップは、白毛馬初のクラシック制覇を達成した桜花賞馬ソダシ(吉田隼人)の参戦が予定されており、例年以上の注目を集める。
ドバイワールドカップでも2着に好走したチュウワウィザード(戸崎圭太)が人気を集めそうだが、今年のダート戦線は傑出馬不在ということもあり波乱のレースが多発している。
そこで、競馬理論の競馬予想では、チャンピオンズカップの出走予定馬の能力をステップレースごとに分析する。
目次
秋華賞組
10着のソダシが出走登録している。
ソダシ
秋華賞の敗戦は、楽に2番手を追走したにもかかわらず伸びを欠いており、レース内容としては価値がなかったが、ゲートで激突して歯から流血したものらしく、度外視可能である。
なお、ソダシは、桜花賞馬とうだけでなく、古馬相手の札幌記念で後のブリーダーズカップを制したラブズオンリーユーを破っており、実績的にはナンバーワンとも言える。
そこで問題となるのはダート適性だが、母のブチコがダート4勝で更には兄弟もダート巧者が多く、血統的にはダートがマイナスになるどころかむしろプラスに働く可能性が高い。
よって、チャンピオンズカップの予想においては、初ダートでもソダシに高い評価を与えるべきだが、血統的な背景だけで人気になりすぎるようであれば、ソダシの評価を下げるのも一つの手である。
JBCクラシック組
3着のチュウワウィザード(戸崎圭太)・4着のテーオーケインズ(松山弘平)・5着のケイティブレイブ(内田博幸)・6着のカジノフォンテン(ミルコ・デムーロ)・7着のダノンファラオ(横山武)の合計5頭が出走を予定している。
チュウワウィザード
JBCクラシックの3着という結果は、骨折明けで仕上がり途上だったこともあり直線で伸びを欠いたが、底力で馬券圏内を確保した。
なお、チュウワウィザードは、去年のチャンピオンズカップにおいて、断然人気のクリソベリルを破って、2着に2馬身半もの差をつけて勝利を収めており、この条件は得意な舞台である。
更に、チュウワウィザードは、ドバイワールドカップでも2着に好走している。
よって、チャンピオンズカップの予想においては、叩き2走目で上がり目が見込めるチュウワウィザードの連覇の可能性は高いと判断すべきである。
テーオーケインズ
JBCクラシックの4着という結果は、スタートで出遅れて位置を取りに行った分だけ伸びを欠いただけであり、度外視可能である。
なお、テーオーケインズは、3連勝で帝王賞を制しており、そのときに破った相手がJBCクラシック馬ミューチャリー、オメガパフューム及びチュウワウィザードであり、能力的にも実績的にも遜色はない。
よって、チャンピオンズカップの予想においては、テーオーケインズの巻き返しにも注目して当然である。
ケイティブレイブ
JBCクラシックの5着という結果は、好位から伸びを欠いており力負けであった。
よって、チャンピオンズカップの予想においては、ケイティブレイブに高い評価は不要である。
カジノフォンテン
JBCクラシックの6着という結果は、楽に先行できたが早目に先頭にたったミューチャリーに潰されてしまった。
なお、カジノフォンテンは、去年の東京大賞典でオメガパフュームの2着に好走しており、その後の川崎記念ではオメガパフュームを破ってG1制覇を果たしている。
よって、チャンピオンズカップの予想においては、中京の前が残りやすい馬場で楽に先行できるようであれば、カジノフォンテンの粘り込みにも注意を払うべきである。
ダノンファラオ
JBCクラシックの7着という結果は、先手を取ったものの簡単にバテてしまった。
よって、チャンピオンズカップの予想においては、ダノンファラオに高い評価は不要である。
シリウスステークス組
1着のサンライズホープ(幸英明)・2着のウエスタールンドの合計2頭が出走を予定している。
サンライズホープ
シリウスステークスの勝利という結果は、イン有利の馬場でラチ沿いを走ったわけでもなく、好位追走から抜け出しており、着実に力を付けていることを示した。
なお、サンライズホープは、3勝クラス、OP特別を連勝した際には、楽に先行する展開に恵まれており、このときの内容では苦しい。
よって、チャンピオンズカップの予想においては、さらなるメンバー強化を考慮すると、サンライズホープにとって試金石の一戦になると判断すべきである。
ウエスタールンド
シリウスステークスの2着という結果は、コーナーワークで経済コースを通って追い上げたことは確かだが、58キロの斤量で前が残りやすい中京の馬場状態で、最後方から頭差までサンライズホープに迫ったことは立派である。
よって、チャンピオンズカップの予想においては、差しが届く展開になるようであれば、ウエスタールンドの追い込みにも注意を払うべきである。
函館記念組
9着のカフェファラオ(ルメール)が出走登録している。
カフェファラオ
函館記念の9着という結果は、力負けであったが、芝のレースなので度外視可能である。
なお、カフェファラオは、フェブラリーステークスを制してG1馬となっているが、フェブラリーステークスの勝利は、イン有利の馬場で好位のインを追走する展開に恵まれたものである。
また、カフェファラオは、去年のチャンピオンズカップで2番人気に推されながらも6着に敗れている。
よって、チャンピオンズカップの予想においては、カフェファラオに押さえ程度の評価は与えるべきだが、フェブラリーステークス馬というだけで過大評価は禁物である。
南部杯組
4着のインティ(武豊)が出走を予定している。
インティ
南部杯の4着という結果は、得意の先行する形でないことを考えると悪くない。
なお、インティは、かしわ記念やフェブラリーステークスでも差す競馬でそこそこ走っているが、本来の先行する形の方がやはり能力を最大限に発揮する。
よって、チャンピオンズカップの予想においては、スタートを決めて楽に先行できるようであれば、インティが去年のような粘り腰を発揮する可能性はある。
みやこステークス組
1着のメイショウハリオ(浜中俊)・3着のアナザートゥルース(坂井瑠星)・6着のクリンチャー(川田将雅)・7着のスワーヴアラミス(松田大作)・12着のオーヴェルニュ(福永祐一)の合計5頭が出走登録している。
メイショウハリオ
みやこステークスの勝利という結果は、外差しが届きやすい馬場に恵まれたことは確かだが、どんな相手でも堅実に脚を使うことを示した。
太秦ステークスででは2着に敗れているが、前が残りやすい展開で届かなかっただけである。
よって、チャンピオンズカップの予想においては、前が残りやすい中京の馬場状態は微妙だが、差しが届く展開になるようであれば、メイショウハリオにも多少の注意を払うべきである。
アナザートゥルース・クリンチャー・スワーヴアラミス・オーヴェルニュ
みやこステークスでは、メイショウハリオに離されてしまっており、見どころがなかった。
よって、チャンピオンズカップの予想においては、さらなるメンバー強化を考慮すると、アナザートゥルース、クリンチャー、スワーヴアラミス及びオーヴェルニュに高い評価は不要である。
以上、チャンピオンズカップに出走登録している有力各馬の能力を分析した。
この分析結果に、展開、調教、枠順、人気及び馬場状態などの様々な要素を加味して、チャンピオンズカップ(2021年)の最終的な予想を決断する。
過去10年の連対馬一覧表
年度 |
着 |
馬番 |
馬名 |
馬齢 |
人気 |
騎手 |
2020 |
1 |
12 |
チュウワウィザード |
牡6 |
4 |
戸崎圭 |
2 |
2 |
ゴールドドリーム |
牡7 |
3 |
和田竜 |
|
3 |
3 |
インティ |
牡6 |
10 |
武豊 |
|
2019 |
1 |
5 |
クリソベリル |
牡3 |
2 |
川田将 |
2 |
11 |
ゴールドドリーム |
牡6 |
1 |
Cルメ |
|
3 |
4 |
インティ |
牡5 |
3 |
武豊 |
|
2018 |
1 |
2 |
ルヴァンスレーヴ |
牡3 |
1 |
Mデム |
2 |
12 |
ウェスタールンド |
セ6 |
8 |
藤岡佑 |
|
3 |
9 |
サンライズソア |
牡4 |
3 |
Jモレ |
|
2017 |
1 |
9 |
ゴールドドリーム |
牡4 |
8 |
Rムー |
2 |
13 |
テイエムジンソク |
牡5 |
1 |
古川吉 |
|
3 |
1 |
コパノリッキー |
牡7 |
9 |
田辺裕 |
|
2016 |
1 |
8 |
サウンドトゥルー |
セ6 |
6 |
大野拓 |
2 |
2 |
アウォーディー |
牡6 |
1 |
武豊 |
|
3 |
4 |
アスカノロマン |
牡5 |
10 |
和田竜 |
|
2015 |
1 |
4 |
サンビスタ |
牝6 |
12 |
Mデム |
2 |
1 |
ノンコノユメ |
牡3 |
3 |
Cルメ |
|
3 |
2 |
サウンドトゥルー |
セ5 |
5 |
大野拓 |
|
2014 |
1 |
8 |
ホッコータルマエ |
牡5 |
2 |
幸英明 |
2 |
4 |
ナムラビクター |
牡5 |
8 |
小牧太 |
|
3 |
12 |
ローマンレジェンド |
牡6 |
3 |
岩田康 |
|
2013 |
1 |
12 |
ベルシャザール |
牡5 |
3 |
Cルメ |
2 |
8 |
ワンダーアキュート |
牡7 |
6 |
武豊 |
|
3 |
6 |
ホッコータルマエ |
牡4 |
1 |
幸英明 |
|
2012 |
1 |
14 |
ニホンピロアワーズ |
牡5 |
6 |
酒井学 |
2 |
12 |
ワンダーアキュート |
牡6 |
3 |
和田竜 |
|
3 |
9 |
ホッコータルマエ |
牡3 |
9 |
幸英明 |
|
2011 |
1 |
16 |
トランセンド |
牡5 |
1 |
藤田伸 |
2 |
9 |
ワンダーアキュート |
牡5 |
5 |
和田竜 |
|
3 |
6 |
エスポワールシチー |
牡6 |
2 |
佐藤哲 |
出走予定馬
馬名 |
馬齢 |
騎手 |
馬名 |
馬齢 |
騎手 |
ソダシ |
牝3 |
吉田隼 |
ダノンファラオ |
牡4 |
横山武 |
チュウワウィザード |
牡6 |
戸崎圭 |
サンライズホープ |
牡4 |
幸 |
テーオーケインズ |
牡4 |
松山 |
タガノビューティー |
牡4 |
石橋脩 |
カフェファラオ |
牡4 |
Cルメール |
ケイティブレイブ |
牡8 |
内田博 |
エアスピネル |
牡8 |
Rムーア |
サンライズノヴァ |
牡7 |
松若 |
オーヴェルニュ |
牡5 |
福永 |
ウェスタールンド |
セ9 |
|
インティ |
牡7 |
武豊 |
アナザートゥルース |
牡7 |
|
クリンチャー |
牡7 |
川田 |
メイショウハリオ |
牡4 |
浜中 |
>
Q1:中京ダート1,800mの特徴
中京ダート1,800mの特徴を教えてください。
Q2:ソダシのダート挑戦
ソダシがダートに初挑戦します。秋華賞では惨敗しましたが、札幌記念では古馬相手に快勝しました。マスターはセミナーの2次会で『血統的には走る』と言っていましたが、砂を嫌がるかもしれない、と心配なところもあります。今回斤量には恵まれますが、マスターと椎名さんの見解を教えてください。
Q3:武蔵野ステークス組の評価
武蔵野ステークスから、2番人気2着のエアスピネル、1番人気6着のタガノビューティーが出走予定です。エアスピネルは中団から加速したいところで前が壁になり、ロスがあったように見えました。またタガノビューティーも1枠1番で外に出すのにかなりロスがあったと思います。マスターはこの2頭だとどちらを上に取りますか?また今年の武蔵野Sのレベルは例年に比べて高いのか低いのかも教えてほしいです。
Q4:JBCクラシック組の評価
JBCクラシックから3番人気3着のチュウワウィザード、1番人気4着のテーオーケインズ、7番人気5着のケイティブレイブ、5番人気6着のカジノフォンテン、4番人気7着のダノンファラオが出走予定です。テーオーケインズは出遅れ、ダノンファラオとカジノフォンテンが前に行く展開でした。今年のJBCは金沢開催で内回りで、内側の砂が深くみんな内を開けて走る中、チュウワウィザードはやや内目を追走していました。ケイティブレイブは直線で挟まれる不利があったと思います。マスターはどの馬を上位にとりますか?
Q5:みやこS組の評価
みやこSから5番人気1着のメイショウハリオ、6番人気2着のロードブレス、10番人気3着のアナザートゥルース、1番人気6着のクリンチャー、4番人気7着のスワーヴアラミス、3番人気12着のオーヴェルニュが出走予定です。ハイペースで逃げたアナザートゥルースが3着に粘りましたが、最後は追い込み競馬になりました。クリンチャーは前方の外目追走で、外からエクスパートランがまくってきたので厳しい展開になったと思います。マスターはどの馬を上位にとりますか?
Q6:南部杯組の評価
盛岡の南部杯から5番人気4着のインティ、3番人気6着のエアスピネル、4番人気7着のサンライズノヴァが出走予定です。雨の重馬場で、人気薄のヒロシゲゴールドが2着となり、前残りの馬場になっていたと思います。この時3着のソリストサンダーは武蔵野Sで勝ち、6着のエアスピネルは2着でした。サンライズノヴァは昨年の武蔵野Sの勝ち馬ですが、マスターはどの馬を上位にとりますか?
Q7:シリウスS組の評価
シリウスSから4番人気1着のサンライズホープ、5番人気2着のウェスタールンド、10番人気11着のケイティブレイブ、8番人気13着のアナザートゥルースが出走予定です。勝ったサンライズホープは3番手追走でスムーズな競馬だったと思います。ウェスタールンドは最後方から内に入り上手く外に抜けて追い込みました。ケイティブレイブは後ろの馬込みで不利があり、アナザートゥルースはスタート後馬込みで少し掛かっていたように見えました。マスターはどの馬を上位にとりますか?
Q8:カフェファラオの評価
函館記念で芝に初挑戦し、1番人気9着となったカフェファラオが出走予定です。以前、マスターは『地方のダートが合わない馬』と言っていたと思いますが、今年のフェブラリーSで勝ち、昨年のチャンピオンズCは2番人気6着でした。今回のメンバー、中京での開催と考えると、マスターは何番手くらいの評価としますか?
Q9:3歳ダート馬のレベル
今年のチャンピオンズカップはソダシ以外3歳馬の登録がありません。マスターはセミナーの2次会で『今年の3歳馬芝の中長距離のレベルは高いが、3歳のダート馬はいまいち』と言っていました。古馬を倒せる3歳馬はしばらく出てこないのでしょうか?もう少し詳しく教えてください。
予想屋マスター事務局スタッフ片山・麻生が担当しております。 ご意見、ご要望などいただけたら嬉しいです。