アルゼンチン共和国杯(GⅡ)/東京/ハンデ/2500m(左・芝)
今週は、フルゲート18頭に対して16頭の出走登録馬にとどまったアルゼンチン共和国杯(2021年)の予想について解説する。
アルゼンチン共和国杯は、G1の狭間のハンデ重賞ということもあり、一線級不在の混戦模様となることが多い。
今年のアルゼンチン共和国杯では、去年の覇者オーソリティが人気を集めそうだが、去年よりもハンデがかなり重くなりそうで、波乱もあり得る。
そこで、競馬理論の競馬予想では、アルゼンチン共和国杯の出走予定馬の能力をステップレースごとに分析する。
目次
京都大賞典組
4着のディアマンミノル()・5着のロードマイウェイ()・12着のアイアンバローズ(石橋脩)の合計3頭が出走登録している。
ディアマンミノル
京都大賞典の4着という結果は、3着のキセキに1馬身強離されてしまったものの、スタートで出遅れて後方からの競馬となった割にはよく追い込んだ。
また、ディアマンミノルは、距離不足の函館記念でも4着に追い込んでおり、着実に力をつけている。
よって、アルゼンチン共和国杯の予想においては、差しが届く展開や馬場になるようであれば、ディアマンミノルにも注意を払うべきである。
ロードマイウェイ
京都大賞典の5着という結果は、終始外を回らされた割にはよく頑張った。
ロードマイウェイは、チャレンジカップを勝った実績があり、復調気配をうかがわせたと見ることもできるが、京都大賞典のメンバーが低調だった可能性も否めない。
よって、アルゼンチン共和国杯の予想においては、ロードマイウェイにも多少の注意は必要だが、京都大賞典組を低調と見ると、京都大賞典組の評価を下げるのも一つの手である。
アイアンバローズ
京都大賞典のレース内容は見所がなかった。
よって、アルゼンチン共和国の予想においては、アイアンバローズに高い評価は不要である。
天皇賞春組
10着のオーソリティ(ルメール)が出走を予定している。
オーソリティ
天皇賞春の10着という結果は、力負けであったことは確かだが、不利な外枠で終始外を回らされていたことを考えると、着順ほど内容は悪くない。
また、オーソリティは、去年の勝ち馬というだけでなく、早め先頭から力でねじ伏せる強い競馬であった。
よって、アルゼンチン共和国杯の予想においては、去年よりハンデが重くなりそうだが、オーソリティの連覇も十分ありうると判断すべきである。
オールカマー組
6着のサトノソルタス(大野拓弥)・8着のアドマイヤアルバ(吉田裕)の合計2頭が出走登録している。
サトノソルタス
オールカマーの6着という結果は、出遅れて後方からの競馬になったが外からよく追い込んだ。
また、サトノソルタスは、後に好走馬が多い新潟大賞典でも僅差の3着に走っており、このメンバーに入れば実力的にも上位である。
よって、アルゼンチン共和国杯の予想においては、サトノソルタスにもそれなりの高い評価を与えるべきである。
アドマイヤアルバ
オールカマーのレース内容は見どころがなかった。
なお、アドマイヤアルバは、目黒記念で3着だが、超スローペースを先行する展開に恵まれたものである。
よって、アルゼンチン共和国杯の予想においては、アドマイヤアルバに高い評価は不要である。
オホーツクステークス組
1着のアンティシペイト(横山武)が出走登録している。
アンティシペイト
オホーツクステークスの勝利という結果は、力の違いを見せつけたが、3勝クラスにしても弱いメンバー構成に恵まれた感は否めない。
なお、アンティシペイトは、デビュー以来一度しか掲示板を外しておらず、相手なりに崩れない魅力がある。
よって、アルゼンチン共和国の予想においては、急激なメンバー強化を考慮すると、アンティシペイトが好走するためには展開の助けが必要と判断すべきである。
丹頂ステークス組
2着のボスジラ(田辺裕信)・3着のゴースト(鮫島駿)・4着のオウケンムーン(菅原明)・5着のアイスバブル・8着のトーセンカンビーナ(石川裕紀人)の合計5頭が出走を予定している。
ボスジラ
丹頂ステークスの2着という結果は、斤量差と位置取りの差を考えると、レース内容としては勝ったカウディーリョと互角以上である。
なお、ボスジラは、洋芝の札幌では好走を繰り返しているが、中央場所の重賞では少し足りないのも事実である。
よって、アルゼンチン共和国杯の予想においては、ボスジラに押さえ程度の評価を与えれば十分である。
ゴースト
丹頂ステークスの3着という結果は、前残りの展開で上がりナンバーワンの脚を使ったが届かなかった。
ただし、ゴーストは、それ以前のレースを見ると、重賞では力不足の感が否めない。
よって、アルゼンチン共和国杯の予想においては、ゴーストに高い評価は不要である。
オウケンムーン・アイスバブル・トーセンカンビーナ
丹頂ステークスのレース内容は、上位2頭に離されてしまい見所がなかった。
よって、アルゼンチン共和国の予想においては、さらなるメンバー強化を考慮すると、オウケンムーン、アイスバブル及びトーセンカンビーナに高い評価は不要である。
ムーンライトステークス組
1着のフライライクバードが出走登録している。
フライライクバード
ムーンライトステークスの勝利という結果は、2着に2馬身半もの差をつけており、力の違いを見せつけた。
また、フライライクバードは、アリストテレスやヒートオンビートと差のない競馬をした実績がある。
よって、アルゼンチン共和国杯の予想においては、急激なメンバー強化であっても、フライライクバードに高い評価を与えるべきである。
以上、アルゼンチン共和国杯に出走登録している有力各馬の能力を分析した。
この分析結果に、展開、調教、枠順、人気及び馬場状態などの様々な要素を加味して、アルゼンチン共和国杯(2021年)の最終的な予想を決断する。
教えてマスターQ&A アルゼンチン共和国杯編
2021年アルゼンチン共和国杯に関する以下の質問に予想屋マスターが 【教えてマスターQ&A・アルゼンチン共和国杯・2021】で答えています。こちらの記事とあわせてご覧ください。
過去10年の連対馬一覧表
年度 | 着 | 馬番 | 馬名 | 馬齢 | 人気 | 騎手 | ハンデ |
2020 | 1 | 18 | オーソリティ | 牡3 | 3 | Cルメ | 54 |
2 | 2 | ラストドラフト | 牡4 | 6 | 戸崎圭 | 56 | |
3 | 10 | サンアップルトン | 牡4 | 8 | 柴田善 | 55 | |
2019 | 1 | 7 | ムイトオブリガード | 牡5 | 2 | 横山典 | 56 |
2 | 2 | タイセイトレイル | 牡4 | 5 | 戸崎圭 | 55 | |
3 | 1 | アフリカンゴールド | セ4 | 1 | Cルメ | 55 | |
2018 | 1 | 6 | パフォーマプロミス | 牡6 | 3 | Cオド | 56 |
2 | 7 | ムイトオブリガード | 牡4 | 1 | 四位洋 | 55 | |
3 | 5 | マコトガラハッド | セ5 | 11 | 石川裕 | 51 | |
2017 | 1 | 4 | スワーヴリチャード | 牡3 | 1 | Mデム | 56 |
2 | 7 | ソールインパクト | 牡5 | 7 | 福永祐 | 53 | |
3 | 1 | セダブリランテス | 牡3 | 3 | 戸崎圭 | 54 | |
2016 | 1 | 11 | シュヴァルグラン | 牡4 | 2 | 福永祐 | 58 |
2 | 5 | アルバート | 牡5 | 4 | 戸崎圭 | 57 | |
3 | 13 | ヴォルシェーブ | 牡5 | 3 | Mデム | 55 | |
2015 | 1 | 15 | ゴールドアクター | 牡4 | 1 | 吉田隼 | 56 |
2 | 14 | メイショウカドマツ | 牡6 | 4 | 蛯名正 | 55 | |
3 | 18 | レーヴミストラル | 牡3 | 3 | 川田将 | 55 | |
2014 | 1 | 3 | フェイムゲーム | 牡4 | 2 | 北村宏 | 57 |
2 | 9 | クリールカイザー | 牡5 | 4 | 吉田豊 | 56 | |
3 | 11 | スーパームーン | 牡5 | 3 | 内田博 | 55 | |
2013 | 1 | 12 | アスカクリチャン | 牡6 | 7 | 戸崎圭 | 56 |
2 | 16 | アドマイヤラクティ | 牡5 | 4 | Iメン | 57.5 | |
3 | 3 | ルルーシュ | 牡5 | 3 | 北村宏 | 57.5 | |
2012 | 1 | 4 | ルルーシュ | 牡4 | 2 | 横山典 | 56 |
2 | 7 | ムスカテール | 牡4 | 3 | 内田博 | 55 | |
3 | 3 | マイネルマーク | 牡4 | 6 | 丹内祐 | 52 | |
2011 | 1 | 11 | トレイルブレイザー | 牡4 | 3 | 安藤勝 | 55 |
2 | 12 | オウケンブルースリ | 牡6 | 1 | 田辺裕 | 58.5 | |
3 | 7 | カワキタコマンド | 牡4 | 8 | 柴田善 | 55 |
出走予定馬
馬名 | 馬齢 | 前走 | 馬名 | 馬齢 | 前走 |
キセキ | 牡7 | 京都大賞典(G2)3着 | トーセンカンビーナ | 牡5 | 丹頂S(OP)8着 |
オーソリティ | 牡4 | 天皇賞(春)(G1)10着 | ゴースト | セ5 | 丹頂S(OP)3着 |
キングオブコージ | 牡5 | オールカマー(G2)9着 | アイアンバローズ | 牡4 | 京都大賞典(G2)12着 |
アンティシペイト | 牡4 | オホーツクS(3勝クラス)1着 | フライライクバード | 牡4 | ムーンライトH(3勝クラス)1着 |
ボスジラ | 牡5 | 丹頂S(OP)2着 | ロードマイウェイ | 牡5 | 京都大賞典(G2)5着 |
ディアマンミノル | 牡4 | 京都大賞典(G2)4着 | オウケンムーン | 牡6 | 丹頂S(OP)4着 |
アイスバブル | 牡6 | 丹頂S(OP)5着 | ゴーフォザサミット | 牡6 | メイS(OP)5着 |
サトノソルタス | 牡6 | オールカマー(G2)6着 | レクセランス | 牡4 | ケフェウスS(OP)6着 |
Q1:東京芝2,500mの特徴
東京芝2,500mの特徴を教えてください。アルゼンチン共和国杯と目黒記念で使われるコースですが、今年の目黒記念は超スローペースとなりました。ペースがゆるくなりやすいコース形態なのでしょうか?
Q2:オーソリティの連覇の可能性は?
昨年の覇者オーソリティが出走予定です。昨年は大外枠でしたがルメール騎手が3番手につけ、少し内を開けて追走し、最後も伸びて勝ちました。ルメール騎手の好騎乗の印象がありますが、東京の戦績もいいです。骨折で休養明けになりますが、マスターの評価を教えてください。
Q3:京都大賞典組の評価
京都大賞典から3着キセキ、4着ディアマンミノル、5着ロードマイウェイ、12番アイアンバローズが出走予定です。ハイペースでしたがキセキは外枠から3番手の外目を追走して粘り、ゴール前まで接戦でした。ディアマンミノルはスタート直後接触がありましたが後方からよく追い込んでいました。アイアンバローズは3番人気でしたが休み明けが原因なのか惨敗でした。マスターの評価を教えてください。
Q4:オールカマー組の評価
オールカマーから6番人気9着のキングオブコージ、10番人気6着のサトノソルタスが出走予定です。この日は内側が有利だったと思ましたが、キングオブコージは1年振りの競馬で、ずっと外を追走していました。サトノソルタスも後方からの競馬で最後よく追い込んでいたと思います。今回のメンバーでオールカマー組はどうでしょうか?
Q5:丹頂S組の評価
丹頂Sから2着のボスジラ、 3着のゴースト、4着オウケンムーン、5着アイスバブル、8着トーセンカンビーナが出走予定です。先行馬がいなくてスローペース、少頭数で縦長の展開で、最後のコーナーではゴーストが1番外を回っていましたが、マスターは着順通りの能力とみますか?またボスジラとゴーストとオウケンムーンは札幌日経オープンでも対戦しており、この時はゴーストが4着、オウケンムーンが5着、ボスジラが6着でした。マスターはどの馬を上にとりますか?
Q6:ディアマンミノルとアイスバブル
ディアマンミノルとアイスバブルはよく対戦しており、以下が対戦成績となります。両馬ともペースが速いほうがいいと思うのですが、マスターはどちらを上にとりますか?
馬名 | 年齢 | 2021/8/22 | 2021/7/18 | 2021/5/30 | 2021/5/8 |
札幌記念(G2) | 函館記念(G3) | 目黒記念(G2) | メトロポリタンS(L) | ||
ディアマンミノル | 牡4 | 8着(10番人気) | 4着(11番人気) | 14着(4番人気) | 3着(3番人気) |
アイスバブル | 牡6 | 7着(12番人気) | 2着(14番人気) | 8着(14番人気) | 7着(5番人気) |
Q7:アンティシペイトの評価
札幌のオホーツクSから1着のアンティシペイトが出走予定です。中団から外に出してコーナーでは大外を回って勝ちました。マスターは『相手なりに走って崩れないタイプ』と評していましたが、今回のメンバーではどうでしょうか?またいろんな騎手が騎乗していますが、誰と一番手が合うと思いますか?誰でもあまり変わらないですか?
Q8:冬毛が生えている馬について
「冬毛が生えている馬はあまりよくない」と聞きますが、椎名さんは気にしたりしますか?マスターは全く興味がないと思いますが(笑)競走馬の生態にも詳しい椎名さんの見解をお聞きしたいです。
予想屋マスター事務局スタッフ片山・麻生が担当しております。 ご意見、ご要望などいただけたら嬉しいです。