札幌記念(GⅡ)/札幌/定量/2000m(右・芝)
第49回札幌記念は、皐月賞馬ロゴタイプの参戦により例年以上の注目を集めたが、2番人気のトウケイヘイロー(武豊)の圧勝で幕を閉じた。
競馬理論の競馬予想では、Cコース替りで極端にインが有利となった馬場状態を考慮し、トウケイヘイローを自信の本命に予想した。
レースでは、トウケイヘイローは馬なりで楽に先頭に立って逃げを打つと、3コーナー過ぎから徐々に後続を引き離した。
そしてトウケイヘイローは、直線に入っても脚色は衰えず、2着のアスカクリチャンに6馬身もの差をつけて、第49回札幌記念を制覇した。
トウケイヘイローの第49回札幌記念の勝利という結果は、6馬身もの差をつけており力の違いを見せつけたと見ることもできるが、インが極端に有利で前がまったく止まらない馬場に恵まれたものでもあり、着差ほどの評価は禁物である。
よって次走の天皇賞・秋の競馬予想においては、トウケイヘイローにそれなりの高い評価を与えるべきだが、3戦連続で先行馬有利の馬場状態に恵まれたことを考慮すると、人気ほどの信頼感はないと判断すべきである。
第49回札幌記念では、8番人気のアスカクリチャン(岩田康誠)が2着に入り、中波乱を演出した。
競馬理論の競馬予想では、イン有利の馬場において、外枠ながらも2着馬と差のない3着に入った函館記念の内容と、ロスのない競馬を好む岩田騎手騎乗という点を考慮して、アスカクリチャンにも高い評価を与えていた。
レースでは、アスカクリチャンは7枠13番からの発走ながらも徐々に好位の内目に潜り込み、直線でも最内を突いて2着に浮上した。
アスカクリチャンの第49回札幌記念の2着という結果は、外が全く伸びない極悪馬場においてロスのない競馬をさせた岩田騎手の好騎乗によるものであり、3着と大きな差をつけた2着ではあったが、レース内容としては、さほどの価値はない。
よって、第49回札幌記念以上の重賞戦線の競馬予想においては、アスカクリチャンにスーパーG2とも言われる第49回札幌記念2着ほどの高い評価は不要である。
一方、第49回札幌記念では、14番人気のアンコイルド(吉田隼人)が3着に入った。
アンコイルドは、好スタートを切るとインの3番手の絶好位に潜り込んだ。
そしてアンコイルドは、直線に向くとトウケイヘイローに突き放されてしまったものの、ジリジリと伸び3着を確保した。
アンコイルドの第49回札幌記念の3着という結果は、極端にインが有利な馬場状態で絶好位と言えるインの3番手を追走してのものであり、レース内容としての価値は低い。
よって第49回札幌記念以降の重賞戦線の競馬予想においては、アンコイルドに、展開に恵まれての函館記念2着及び第49回札幌記念3着ほどの高い評価を与えるべきではない。
さて、第49回札幌記念で1番人気に推された皐月賞馬ロゴタイプは5着に敗れてしまった。
競馬理論の競馬予想では、インが極端に有利な馬場でロスのない競馬をした皐月賞を過大評価すべきでないという点と、今年の3歳世代のレベルの低さを考慮し、ロゴタイプの評価を下げていた。
レースでは、ロゴタイプは好位の外目を追走し、4コーナーでは外から2番手に上がってトウケイヘイローを追い上げるかのようにも見えたが、直線では伸びを欠き5着止まりであった。
ロゴタイプの第49回札幌記念の5着という結果は、極悪馬場で外を回らされるロスを考慮すると度外視可能だが、皐月賞馬の実績ほどの能力がないことを露呈したことも確かである。
よって第49回札幌記念以降の重賞戦線においても、ロゴタイプに、皐月賞馬ほどの高い評価は不要である。
以上のように第49回札幌記念は、トウケイヘイローの大楽勝で幕を閉じた。
ただし第49回札幌記念は、極端にインが有利で、前が止まらない馬場が結果に大きな影響を与えたものである。
競馬理論のファンの方は、第49回札幌記念の馬場が極端なものであったことを頭に入れて、第49回札幌記念に出走した各馬の能力を評価頂きたい。
予想屋マスター事務局スタッフ片山・麻生が担当しております。 ご意見、ご要望などいただけたら嬉しいです。